誰も、あなたの製品・サービスに興味はない
では、どうすれば顧客の関心事に沿った内容のコンテンツを企画できるのでしょうか? そもそも、AppleやMicrosoft、Googleのような圧倒的に注目を集める企業でもない限り、「自社が伝えたいこと」には興味を持ってもらえません。「誰も、自社の製品・サービスに興味を持っていない」という前提で、「顧客の関心事は何か?」「どういったテーマなら興味を持たれるか?」といった視点でコンテンツを企画する必要があります。
そのためには、セミナーやお役立ち資料などのコンテンツを企画するマーケティングの担当者が「顧客の関心事を知っている」必要があります。顧客は、どんな企業・部署に所属していて、どのような課題を持ち、普段はどのようなセミナーに参加し、どういったテーマの資料をダウンロードしているのでしょうか?
顧客の関心事について詳しくない場合には、「詳しい人に直接聞いてみる」ことをお勧めします。たとえば、既存のお客様に対して直接話す機会がある場合には、「どんなテーマのセミナーなら参加したいですか?」や「最近ダウンロードしたお役立ち資料はありますか?」などの質問をしてみてください。「ビザスク」や「ミーミル」などのサービスを活用すれば、まだ取引のないターゲット顧客に直接ヒアリングできます。また、顧客と直接話す機会の多い、自社の営業担当者に顧客の傾向や関心事を聞いてみるのもお勧めです。
ヒアリングする対象例
- 既存のお客様
- 取引のないターゲット顧客
- 自社の営業担当者
ヒアリングの項目例
- どんなセミナーのタイトルなら参加したいですか?
- 最近、どんなお役立ち資料をダウンロードしましたか?
- 最近読んだ、仕事関連の本はどんな内容でしたか?
- この業界で注目している人・この人の講演なら聞きたい人はいますか ?
ヒアリングした方には、セミナーに登壇してもらったり、コラム記事やお役立ち資料を作成してもらったりなど、可能であればコンテンツの作成協力も依頼しましょう。リソースやスケジュールの都合で難しい場合には、ヒアリングした内容を基に、コンテンツの制作はマーケティング担当者が行い、監修いただく方法もお勧めです。
購買プロセスの階段設計が重要
本稿で紹介する「軸ずらし施策」には注意点があります。顧客の関心事に合わせたコンテンツを起点にリード獲得を行うため、顧客はそもそも製品サービスに対して興味がないことが大半です。そのため直後に商談を打診しても断られてしまうケースが多くなってしまうのです。獲得したリードを無駄にしないためにも、少人数勉強会や無料相談会など商談前に顧客と接点を持つ機会を設けて、なめらかなコミュニケーションのプロセスを設計しましょう(図表2)。

定期的にメルマガを送ったり、インサイドセールスからヒアリングをしたり、獲得したリードに対して中長期的にアプローチすることをお勧めします。