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「大久保佳代子とトレンド遊び」から見る ラジオ×TikTokの可能性


ラジオとTikTokの違いは、「余白の楽しみ」と「つかみの楽しみ」

MZ:ラジオとTikTokの違いは何でしょうか?

服部:やはりメディアの特性が全然違うなと思っていて。ラジオはゆったりと長い時間を聞いていただき、長く付き合うことで信頼関係や仲間意識を築くのが得意なメディアです。そして、映像に頼らないのでリスナー側の想像する力と合わせて、共創して作られるコンテンツです。

 一方でTikTokは冒頭でがっちりとつかまないとすぐ流されるシビアな世界なので、そのあたりは違いを感じます。しかし、TikTokで得られた冒頭でフックを作り視聴者をつかむエッセンスを、ラジオの番組作りに転用できています。

 また私自身、若者文化を通して「若いころどういう風に考えていたか」「どういった感覚があったか」など、改めて原点に立ち戻る機会も得られました。

徳永:ラジオとTikTokはスマホで楽しむエンタメとして相性が良い点は共通しています。ただ、イヤフォン越しに耳だけで楽しむストーリーと余白の楽しみはラジオの最も強みとするところではないでしょうか。

 新奇性や勢いだけではリスナーをグッと摑みきることはできません。その点はTikTokと違うフォロワーシップ・メカニズムだと考えています。TikTokにも幅広いジャンルの動画やクリエイターが登場していますので、ラジオにおける伝播力と時間軸の違いは我々にとっても大きな学びになっています。

ラジオとTikTokの相互の流れを創る

MZ:最後に今後の展望・展開をお聞かせください。

大久保:本当は番組が最初始まった時は「ヒョンビン(韓国の俳優、愛の不時着などに出演)に届け!」っていって本当にヒョンビンに届いたらいいなと思っていたんですけど、正直そのモチベーションはそんなにないです(笑)。

 でも、何か1個トレンドが作れたらいいなと思います。リスナーの皆さんがメールでアイデアをくださるので、その力も借りつつ、実現したいですね。何かフォーマットを作って私発信からのみんながそれを真似してくれるみたいなことが起きたら、「TikTok、制した」みたいになるかなと思ったりしています。

服部:大久保さんと被りますが、やはりこの番組からトレンドを作りたいと考えています。

 おかげさまで、リスナーの方はもちろん、企業からの注目度も上がっています。コロナ禍が明けたら何かしらの形で番組の外に飛び出していくようなことができたらと思っています。大久保さんはあきらめていると言っていましたが、私はヒョンビンに届けることをあきらめていないです(笑)。

 またラジオ番組としては、リスナーのファンをもっと増やしていきたいです。若いリスナーがTikTokと合わせてラジオも楽しんでくれるようなそういった流れができたらと思っています。またラジオは音声だけのメディアなので想像力をかき立てる力があります。想像をかき立てられ、ラジオをきっかけにTikTokに行くといった相互の流れを、番組を通して作っていきたいですね。

徳永:TikTokで形成されるファンベース・コミュニティも、ラジオ・パーソナリティとリスナーが作るそれとそん色なく、また親和性が高いことを、お取り組みを通じて改めて実感しています。

 ラジオ好きな聴取者層は潜在的にTikTokの未来のユーザーたりえる、との仮説が確信に近づいているところです。今後も、進化を続ける新たなTikTokの機能とラジオの掛け合わせに意欲的に取り組み、斬新なエンタメをご提供することを通じて、TikTokへの興味関心を高め、ご理解を深められればと考えています。

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この記事の著者

齋藤 ゆう(編集部)(サイトウ ユウ)

大学卒業後、広告代理店に入社しマーケターに。その後、事業会社に転職。金融・美容分野のマーケティング・企画・運営・セールスに携わる。2020年、翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/01/20 17:00 https://markezine.jp/article/detail/38056

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