2022年も注目したい「オタクな」シニアの消費特性
現在60代シニアの中核をなす、いわゆる「ポスト団塊世代」の多くは、物心ついた時にテレビアニメや特撮ドラマに触れ、中学〜高校を経て青春ドラマ、アイドル、オカルト、超能力など、サブカルチャーの洗礼を一身に浴びてきた。「追っかけ」「親衛隊」の元祖も彼らと言ってよく、こうした自分の入れ込めることを見つけて極める「オタク」の端緒が見て取れる。
当社調査でも「自分はオタク的なところがあると思う」という60代の意識はこの10年で1.5倍になった。そんな新しいシニアを当社では数年前から「オタクティブシニア(オタク+アクティブの造語)」と名付け追い続けているが、2022年もその特性は元気に発露されるだろう。彼らの消費の原動力は、好きなことへの「こだわり」と、それを追い求める「継続」である。
鉄道でいえば全線踏破、好きなキャラクターはグッズを徹底的に集めるなどの「コンプリート」はその象徴で、果たされるまでお金と時間のウェートをかけ続ける。「納得するまで吟味し、自分に合うものを絞り込む過程も楽しい」という声も取材で聞いた。ハマれば長い、ということだ。シニアに対しては、こうしたLTVを稼ぐコンテンツの照準合わせと施策設計が肝要だ。
もちろん、次代シニアを見遣る視点も必要だ。2022年は団塊世代の最初の人たち(1947年生まれ)が後期高齢者となる一方、団塊ジュニア世代の前半(1971〜1972年生まれ)が50代に到達し、新たなシニア像を結びだす端緒の年である。彼らのライフコースや、その昔盛んだった「団塊ジュニア研究」を見返すと、その消費特性を先読みできるかもしれない。