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マーケティングにおける動画活用の動向 今後は「パーソナライズ化」が成否を分けるカギに?

今後、動画活用は「パーソナライズ化」がキーになる

 では、ここからは今後の動画業界の動向を推測していきます。

 私は、デジタルマーケティングの世界で言われる「Always-on(一時的なキャンペーン型から常時オンの会話型へ)」の重要性がより強くなっていくと考えています。企業のブランドストーリーを明確にしながら、顧客が求めるプロスペクトを、適切なタイミング、適切なチャネルで提供することは不可欠です。

 その上で、動画活用においては、各企業で「NETFLIX化」が進むと予測しています。現在、世の中に配信される動画の数は右肩上がりで増え続けています。一方、視聴者の可処分時間は限られているため、今、企業間で視聴時間の取り合いが起きているのです。

 このような状況下で、企業が意識すべきは、NETFLIXのように自社動画をメディア化し、視聴者一人ひとりに応じたパーソナライズを図ること。ここでいうパーソナライズは、動画のレコメンド表示と、動画コンテンツ自体のパーソナライズ化の両方を指します。動画コンテンツをパーソナライズ化する場合は、たとえば視聴者の名前を動画内で表示したり、チャプターをつけることで興味のある場面に飛ばしたり、などが考えられます。これを行うためには、当然カスタマーデータベースを組み合わせる必要があります。

 さらに、動画の見せ方の工夫も必要です。最も重要なのは、やはり、タイトルとサムネイル。視聴者は、タイトルとサムネイルから動画内容を想像するので、両者に乖離がないようにすると自然と滞在時間は伸びていきます。この点に関しては、BtoBとBtoCで分けて考える必要もないでしょう。

動画体験のパーソナライズ化に不可欠な最新テック

 顧客のデバイス、ブラウザを問わず、適切な画面構成やUI/UXでアプローチし、多様な音声言語にも対応しながら、パーソナライズ化された動画コンテンツの提案を行う――こうした企業の動きを加速させる重要なテクノロジーが「オートキャプショニング機能」です。

 オートキャプショニング機能は、動画の中に入っている音声データを抽出して、それを字幕ファイルとして起こす動画音声の自動認識機能で、音声だけでなく映像内容の認識にまで期待が寄せられています。たとえば、オートキャプショニング機能で映像の中のテニスボールを認識できるようになれば、映像の内容を抽出し、音声×映像でより正確なメタデータ分析をできるようになるのです。今後、企業が大量の動画データを短時間で効率よく分類・分析し活用していくためには、こういったテクノロジーによるアプローチも重要になってくるでしょう。

 これからは、データを活用し、パーソナライズされた心地よい動画体験をいかに顧客に届けられるかで、企業の動画活用の明暗が分かれてくるのではないでしょうか。

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この記事の著者

国谷俊夫(クニヤ トシオ)

大規模コンピュータシステム、大規模インターネット配信、マーケティング、セールスのテクノロジー領域で20年の経験を持つ。講演、執筆、コーチング、および特定の専門産業に特化した技術チームのマネジメントで実績がある。2020年7月より現職にて国内の技術部門を統括。特に超大規模プロジェクトにおける国を超えたテクノロジーチー...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/03/18 07:00 https://markezine.jp/article/detail/38407

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