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TikTok広告マーケティング最新事例&動向(AD)

CyberZが明かす、TikTok広告を成功に導くアカウントクオリティの高め方

 読者の皆さんは、広告プラットフォーム「TikTok for Business」で効果を高めるために必要な「アカウントクオリティ」という言葉をご存じだろうか。本記事では、国内の代理店でも有数の運用力を誇るCyberZの社員とTikTok for Business Japanの社員に、アカウントクオリティとは何か、どのようにすれば高められるのかについて話を聞いた。 

「TikTok for Business」活用に欠かせない、アカウントクオリティとは?

MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、アカウントクオリティとはどのようなものか教えてください。

TikTok for Business Japan デジタルエージェンシー担当 倉持 琢光氏

倉持:アカウントクオリティは、「TikTok for Business」の運用で重要な項目を数値化して、運用状況の良し悪しを可視化できる指標となっています。現在は以下5つの項目が存在しています。

・コンバージョンアグリゲーション(CV_Aggregation):最適化に必要なCV数が蓄積できているか

・クリエイティブアディション(CR_Addition):新規クリエイティブが入稿できているか

・アドフォーマット(Ad_Format):プレースメントに応じた推奨クリエイティブサイズで入稿できているか

・ローエストコスト:(Lowestcost)推奨している入札タイプで配信できているか

・AEO:アプリイベント最適化

MZ:これらの項目のスコアを高めるためには、どのような運用が求められるでしょうか。

倉持:大きく3つの取り組みが求められます。1つ目はコンバージョンの蓄積です。「TikTok for Business」はコンバージョンアクションの数が貯まることで機械学習による最適化が行われるため、一定の数が集まるコンバージョンポイントを設定することが求められます。

 2つ目は、正しい頻度でのクリエイティブの入稿です。基本的にはインフィード広告になるので、クリエイティブの疲弊が激しくなっているため、適切な頻度で差し替えが必要になります。また、TikTok以外にもBuzzVideoやPangleという出稿面があるのに加え、アドフォーマットも様々なので、各媒体・フォーマットに合わせたクリエイティブの入稿が重要になります。

 そして3つ目は、当社が推奨する2つの入札方法の活用です。1つは自動最適化をかけてくれるローエストコスト、もう1つはアプリ・イベントの入札最適化に活用できるAEOになります。

成功したら即社内ルール化、TikTok for Business Japan社員との連携も密に

MZ:では、続いて「TikTok for Business Agency Award 2021」にて、パフォーマンス部門の最高位であるプラチナアワードとして認定されたCyberZの方に、どのような運用を心掛けているのか聞いていきたいと思います。宮内さん、いかがですか。

宮内:アカウントクオリティで決められた5項目をすべて満たすのは難しいのですが、どの案件でも安定したアカウントクオリティが目指せるよう、5つの項目それぞれを高める法則を見つけ出し、見つけたらすぐ社内ルールとして定着させるようにしています。

 また、倉持様の話にあったように、クリエイティブの頻繁な入稿や各媒体・フォーマットに対応すべく、「TikTok for Business」のクリエイティブに特化した制作体制を敷いています。

 そして、我々だけではわからない点もあるので、倉持様と週次でミーティングを行わせていただいています。全案件の中で、アカウントクオリティの5項目のうち低くなってしまっている項目をどのように改善するか、その方法について一緒に検討し、改善策を行ったものに関しては結果をモニタリングしています。

株式会社CyberZ TikTok運用担当 宮内 龍汰氏
株式会社CyberZ TikTok for Business運用担当 宮内 龍汰氏
写真提供:CyberZ

効果的な運用に必要なルール・意識すべきことが明らかに

MZ:高い効果につながる法則が見つかったら定着させるとのことですが、具体的にはどのような社内ルールがこれまでに生まれたのでしょうか。

宮内:たとえば、様々なアプリの広告枠に出稿できるPangleを活用する際は、全サイズに対応したクリエイティブを入稿したり、週次に作るクリエイティブ本数を明確化したり、全案件で自動最適化の入札方式であるローエストコストを導入して効果を検証したりするようにしています。

MZ:全員高いパフォーマンスを出せる仕組み作りと、TikTok for Business Japanの社員との連携が高いアカウントクオリティにつながっているのですね。その他に、「TikTok for Business」の運用をする際に意識していることはありますか。

澤田:大きく2つあって、1つはメディアハックです。弊社が広告代理店として様々なお客様のアカウントの入札調整、クリエイティブ制作のPDCAを回してきました。そこで蓄積した運用データからベストプラクティスを常に探してきました。

 アドフォーマットに関しては全種類を網羅し、フォーマットごとに最適なクリエイティブを高い頻度で更新できるようにしています。また、宮内からもあったように定期的に倉持様をはじめとしたTikTok for Business Japanの社員の方とミーティングを行ってきたので、新規メニューやアップデートに関する情報を収集し続けています。

 株式会社CyberZ TikTok運用担当 澤田 朱音氏
株式会社CyberZ TikTok for Business運用担当 澤田 朱音氏
写真提供:CyberZ

MZ:TikTok for Business Japanからは、具体的にはどのような情報を提供しているのでしょうか。

倉持:CyberZ様の中で注力していきたいアカウントをうかがった上で情報を提供しています。直近だとSpark Ads(スパークアズ)やハッシュタグターゲティングなどの導入・活用方法についてレクチャーしました。

CyberZの高い運用力を支えるオペレーション

MZ:もう1つの意識していることについても教えてください。

雪野:もう1つはオペレーションの効率化です。基本的には、作業を思考が必要なものとそうでないものに分類し、思考がいらない作業に関してはすぐに効率化を図ります。そして、思考が求められるものに関しても、どうすれば思考せずに高いパフォーマンスが出せるかを考え、仕組みを作るようにしています。

 たとえば、運用型広告では低いパフォーマンスのクリエイティブを差し替える・停止する必要がありますが、それも条件を付ければ自動で停止できる仕組みを社内で構築しています。

 そうすることで、人為的なミスや機会損失が削減でき、運用者がクリエイティブの中身の企画などに力を注げるようになります。

 クリエイティブの停止はあくまで一例ですが、「TikTok for Business」はアップデートが頻繁に行われ常に進化し続けているプラットフォームです。そのため、アップデートのたびに「ここはオペレーションを効率化できるのではないか?」と常に新しい仮説を立てるようにしています。

 株式会社CyberZ TikTokチーム マネージャー 雪野 英三氏
株式会社CyberZ TikTok for Businessチーム マネージャー 雪野 英三氏
写真提供:CyberZ

アカウント構造も重要に

MZ:倉持さんにうかがいますが、CyberZの運用方法の素晴らしい点はどこでしょうか。

倉持:澤田さんが話していたメディアハックがとても徹底されていて、予算の大小問わずに最適なアカウント構造を作れる点が素晴らしいと感じています。「TikTok for Business」はコンバージョンをベースに運用の自動最適化が図れるため、予算が大きければ大きいほどパフォーマンスが合わせやすくなっています。しかし、CyberZ様は予算が少なくともコンバージョンが蓄積しやすいアカウント構造の設計や運用ができています。

MZ:ちなみに、アカウント構造はどのような状態がベストなのでしょうか。

倉持:「TikTok for Business」はキャンペーンと広告セット、広告の3段階の構造になっていて、広告セットが機能するかどうかで機械学習が働くか決まってきます。そのため、広告セットにおいて、コンバージョンが蓄積しているかを確認し、蓄積していなければ改善することが重要です。

クリエイティブのトレンドを探求し続ける

MZ:では最後に今後の展望を教えてください。

雪野:現在一番力を入れている、クリエイティブの制作をさらに強化していきたいです。CyberZでは、「TikTok for Business」専門のクリエイティブ制作組織を設けています。TikTokは様々なトレンドがものすごい勢いで生まれるプラットフォームだと思っているので、発生したトレンドをいち早く捉えてクリエイティブに落とし込んでいきたいです。

 また、ダイレクトレスポンス目的のクリエイティブ表現に関してまだまだ探求できる点があると思っています。特にSpark Adsの攻略は積極的に行いたいです。

 これらの取り組みに加えて、頻繁に行われるアップデートの情報もいち早くキャッチアップして研究を重ね、業界でも最高品質の広告運用の提供を目指します。

倉持:CyberZ様はすでにとても高いアカウントクオリティで運用していただいており、その中でもアプリの領域に関して多くの実績を作っていらっしゃいます。

 今後はTikTok for Businessの成功事例が少ない業種・業界の支援をご一緒させていただきたいと考えています。また、新しいメニューに関する情報もどんどん提供させていただき、新メニューでの実績をいち早く一緒に作っていきたいです。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/20 17:13 https://markezine.jp/article/detail/38511