新しい日常において、ファミリーマートが目指す姿とは?
コロナ禍が長引き新しい日常が定着するなか、コンビニの利用状況にも変化が表れている。テレワークの増加にともない、これまでは出勤途中や家の近くなど複数の店舗を利用していた人が、自宅近くの店舗だけを利用するケースが増加。また、1回の買い物で完結するようたくさんの商品を一度に購入するケースも増えたそうだ。そのほかにも、より時短・健康志向といった食のニーズの変化もみられる。>

これを踏まえ、ファミリーマートは、これまでメイン顧客層であった20~50代の男性に加え、働く女性やシニア層を戦略的セグメントとして広げていく方針を策定。新しい日常に対応すべく、新商品の開発も進めているという。
「2021年は創立40周年ということでいろいろな仕掛けをさせていただき、その1つとしてファミマルを発売しました。『ファミリークオリティ』という基本価値をしっかりと守りながら、社会の変化やお客様の目線を大事にして、価格や価値でお客様にお得感を提供できるようなプライベートブランドにしていきたいです」(柘植氏)

「お客様視点」を持ち続けるために
本セッションで繰り返し言及されたのが、お客様の視点ではどのように見えるか、お客様にとってわかりやすいかどうか、といった顧客視点だ。締めくくりとして、顧客視点を大事にすることをどのように考えているか、両名に語ってもらった。
「お客様の立場に立って想像するというのは、言葉で言うのは簡単ですが、実際は非常に難しいと感じています。特にファミリーマートに訪れるお客様には、様々な方がいらっしゃいます。だからこそ、想像できるようなインプットを増やすことが、とても大切だと思っています。ファミリーマートは全国各地にお店がありますし、店舗のスタッフとお話する機会もたくさんありますので、それを活かすようにしています」(柘植氏)
「一人のユーザーとして店舗やサービスを利用するときに思ったこと、引っかかったことなどを、日頃からストックしておくようにしています。何か気づいたときには、『じゃあどうしたら良くなるだろう?』という仮説をいくつか立ててみるのですが、その後はさらにもう1回別の視点で見てみる、ということをしています。今後のファミマルの仕事についても、一人のお客さんとしての視点をずっと持ち続けていたいと思っています」(小川氏)