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MarkeZine Day 2022 Spring

営業とのコミュニケーション、事業貢献へのコミット方法……BtoBマーケの悩みと解決方法を語ろう

マーケティング部門を任されたものの、暗中模索というマーケターは意外に多い。スケーリングへの近道は先達の経験と知恵に頼ることだろう。MarkeZine Day 2022 Springでは、BtoBマーケティングを専任して約1年のベネッセコーポレーション 古島氏と、コニカミノルタジャパンで2018年にマーケティングチームを立ち上げ、統括を務める富家氏が対談。事業の立ち上げから現在までの取り組みを語り合った。

BtoBマーケティング組織を構築する際の課題を考えよう

古島:ベネッセコーポレーションの古島です。当社では2019年にUdemy Businessという法人向けサービスの日本国内での展開を開始しました。初年度の法人採択は約80社。3年目の現在は導入企業が約600社以上になり、この段階で私がジョインして、専任で法人向けマーケティング担当をしています。

株式会社ベネッセコーポレーション 社会人教育事業部 toBマーケティンググループ マネージャー 古島 和弥氏
株式会社ベネッセコーポレーション 社会人教育事業部 toBマーケティンググループ マネージャー 古島 和弥氏

 営業組織としては約20名体制で、事業の統括とマネージャー、その下にカスタマーサクセスとマーケティング、インサイドセールスとフィールドセールスがいます。

 私自身はナーチャリングとリード創出をミッションに、サイトの運用や、展示会の参加やウェビナーの開催、Ebookやメルマガの発行などを行っています。今回は、組織の中でBtoBマーケティングのチームを構築し始めた私と同じような境遇の方々にヒントをご提供できればと思います。

 では、ここからは富家さんにマーケティングチームの立ち上げからスケールまでの道筋を伺いたいと思います。

富家:こんにちは。コニカミノルタジャパンの富家です。本日は大きく3テーマについてお話しします。まず1つ目は、組織をどうやって立ち上げていくのか。2つ目は、マーケのKGI・KPIとは何なのか。3つ目は、マーケ施策の企画・実行のポイントです。中でもKGI・KPIの設定と組織を大きくするために何が必要なのかに絞ってお話をします。

 私自身は、現在マーケ組織を立ち上げて丸4年が経ちました。立ち上げ当初は、3人からスタートし、現在16名になっています。「立ち上げ期」「成長期」「発展期」そして「成熟期に向けて」という4つのステイタスの中で、抱えていた課題を1つずつ解決してきました。

コニカミノルタジャパン株式会社 マーケティングサービス事業部 MSマーケティング部 部長 富家 翔平氏
コニカミノルタジャパン株式会社 マーケティングサービス事業部 MSマーケティング部 部長 富家 翔平氏

マーケの成果は「貢献金額」として数字で可視化すべし

富家:まず私たちのマーケティング組織の成果をどのように経営陣、関係者にレポートしているかについてです。事業部全体のパイプライン(売上見込金額)・受注・粗利金額に対して、マーケティング施策により創出した貢献金額を数字で可視化しています。成果として初年度には20.4%、4年目にはパイプラインで25.6%を達成。ROIが175%となりました。

 この数字は、例えば事業部全体の売上見込金額が1億円とすると2,500万円はマーケがきっかけで作ったことを意味します。マーケが作ったきっかけ・商談内容・どう受注したのかが紐付いており、販促費に対しての利益、すなわちROIをしっかり数字として算出し報告しているのが1つ大きなポイントです。

古島:ROIの数値算出は定義によってブレが出ると思います。どう定義されましたか?間接的な効果も含めたのでしょうか?

富家:ROIは、マーケティング施策・リード・商談・売上・コストの5つの要素から算出します。このデータを紐づけることで、初めてROI算出が可能になります。私たちの場合は、salesforceを導入して算出しています。ただ、ここで言うROIにリソース分のコストは入っていません。事業全体では稼働リソース分は販管費で計算されています。ですから単純に、かけた販促費からのROIですね。

古島:既存顧客のアップセルはマーケティングの貢献としてカウントしていますか?実は、当社もまさにこの点を議論中でして。含める方向を考えているのですが、富家さんはいかがですか。

富家:「ルール化は難しい」が私の結論です。最終的には営業とのコミュニケーションで入れる・入れないに合意するようにしています。ガイドラインとしては、「原則マーケの貢献にしたい」とは伝えています。でも、例えば受注間近のお客様がセミナーに来て、それをマーケの貢献だというのは横暴ですよね。

古島:営業サイドと丁寧にコミュニケーションされているのですね。

「チームにどんな人がほしい?」に答える準備を

富家:組織作りでは役割の定義が重要だと考えています。特に、現在1~5人ほどで業務をこなしているチームが、これから大きくしていくときに大事だと思います。

 というのも、増員したいタイミングで「どんな人を増やしたいか」が不明確な場合が多いのです。そこで、まずは業務に必要な役割をしっかり定義した上で、現状のメンバーがそれぞれどんな役割なのかを明確にします。期待されている成果に対して必要な施策量、それを実施するために、どの役割の人が足りなくて必要なのか。役割定義と体制を示すことが大切です。

古島:実は私も最近「どういう人がほしいか」と聞かれて、回答に詰まったんです。それについて考え方のアドバイスはありますか。

富家:リード創出において明らかに弱いところを補うのは誰かを考えると良いと思います。コンテンツを作れる人がいない、セミナーやろうにも単純に人手がいないなど、課題によってアサインすべき人、ジョインしてもらいたい人材像は変わりますよね。まずは自分たちの現状把握と、その上で欲しい能力を考える順番で会話するのがいいですね。

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事業にコミットする勇気を持つ

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/04/18 09:00 https://markezine.jp/article/detail/38741

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