「できること7割・やりたいこと3割」がキャリア構築のポイント
アプリ・Webマーケティング業界で活躍するパネリストは、スキルアップをどのように図っているのだろうか。

学生時代から営業のアルバイトを経験するなど「成果を上げて承認される喜びが仕事のモチベーションになっている」と語るのはオーテの目黒氏だ。大学卒業後はアドネットワークの営業からキャリアを始め、多くの広告主と話をする中で「アプリのマネタイズというマーケティングの一部だけでなく、事業全体に関わりたいという探究心が生まれた」と話す。
そんな折にアイモバイルがオーテを小会社化。目黒氏は自ら手を挙げて転籍し、ASO(アプリストア最適化)から広告出稿、アプリマネタイズ、プロダクトのカスタマーサティスファクションへと挑戦の幅を広げ、自分自身が成長する機会を得たという。
NHN comicoの浜野氏は、オンラインゲーム好きが高じてNHNに入社。カスタマーサティスファクションを経験し、マーケティング組織立ち上げのタイミングでマーケティング職に転向した。
当時の上司からかけられた「できること・求められること7割に、やりたいこと3割を組み合わせてできる仕事が理想」という言葉が、浜野氏のキャリア観のベースとなっているという。教え通り、やりたいことを見つけるよりも、まずはできることを増やしながらキャリアを築いていった。
「広告出稿や新規獲得は数値で成果が見えやすい業務と言えます。周囲で成果を認め合い、共有することで達成感が得られ、次の仕事につながる場面も多いです」(浜野氏)
ロールモデルの少なさがモバイル業界の課題
今回のウェビナーを通じ、モバイル業界ではジェンダーを理由に昇進やスキルアップが妨げられることはないとわかった。しかしながら、女性はライフイベントの多さゆえ、キャリアや働き方を考える局面が多数存在することは確かである。
ウェビナーの視聴者から「妊娠・出産以外で女性のキャリアアップに障壁になっているものはあるか?」という質問が投げかけられると、CyberZの吉田氏とパラレルの道下氏は次のように回答する。
「体力勝負の仕事になってしまうと女性は辛いかもしれませんが、リモートワークが広がった今はアウトプット重視の評価に変わってきているので、女性にとってはチャンスと言えます」(吉田氏)
「モバイル業界は女性が活躍しやすく、ジェンダーを理由に理不尽が生じる機会はめったに見かけない一方で、ロールモデルの少なさは課題の1つだと感じます。昇進する人の割合で見ると、男性の方が大きいのは事実です。『自分が先陣を切って頑張りたい』という人であればロールモデルの有無はさほど影響しないかもしれませんが、ロールモデルを探してなりたい自分を見つける層も一定数存在します。人によってはロールモデルが見つからずにキャリアアップを諦めてしまうのではないでしょうか」(道下氏)
ロールモデルは必ずしも同性である必要はない。今回登壇した5名のパネリストには「こうなりたい」と思えるロールモデルが性別問わずいるようだった。強い信念を持ち、自らの道を切り拓いている彼らの姿が読者の方々の参考やモチベーションになれば嬉しい。
LiftoffのWebサイトでは、ウェビナーのアーカイブ動画を公開している。詳細が気になる方は視聴してみてはいかがだろうか。
