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マーケターに求められる「データ倫理」

図表3 各セクションにおける質問例
図表3 各セクションにおける質問例(タップで画像拡大)

“ポジティブな影響”の最大化

 本稿では、データ倫理とは何か、そして自社のサービス開発やマーケティング施策における“ネガティブな影響”のリスクを考える必要性を説明してきたが、“ネガティブな影響”とともに“ポジティブな影響”を考えることもData Ethics Canvasでは重要なトピックである。“ネガティブな影響”については、個⼈情報やパーソナルデータの収集・利活用が伴うサービスや事業を開始する際に、事前に個人の権利利益を侵害するリスクを特定し評価する手法である「プライバシー影響評価(PIA:Privacy Impact Assessment)」でも同様に重要とされているが、データを活用するからこそ実現できるユーザーへの便益といった“ポジティブな影響”を考えることについては考慮されていない。

 ユーザーは、プライバシーリスクと享受できる便益を天秤にかけ、便益がリスクを上回ると判断した時にデータ提供の意志を示すため、一方だけではなく双方の影響を考えることこそが重要である。ユーザーからデータを集める際、その利用目的は自社のためだけではなく、データ主体であるユーザーのためでもあるはずで、“ネガティブな影響の最小化”とともに“ポジティブな影響の最大化”を考え、それをどのようにユーザーに伝えることで、ユーザーから能動的にデータを提供してもらえる関係を構築できるのか、ぜひ身近な事例をもとに考えてみてはいかがだろうか。

※1 Data Ethics Canvas

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この記事の著者

伊藤 直之(イトウ ナオユキ)

株式会社インテージ 事業開発本部 先端技術部 エバンジェリスト

2008年、インテージに入社。 クライアント企業の社内外データ利活用基盤構築やマーケティングリサーチ、デジタルマーケティング領域での新規事業開発に従事した後、現在は主に個人起点のパーソナルデータ流通領域における啓蒙・啓発活動や、「情報銀行・PDS」...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/04/27 07:30 https://markezine.jp/article/detail/38848

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