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ノバセルが事業領域を一気に拡張 3つの新サービスで「マーケティングの民主化」をいかに加速させるか

 テレビCMの広告効果分析ツール「ノバセルアナリティクス」を提供するノバセル。2020年4月のサービス提供開始から順調に売上を伸ばし、運用型テレビCM市場の拡大にも貢献してきた。2022年2月にはラクスルからの分社化を果たすなど勢いが加速する同社だが、2022年4月より事業戦略をアップデート。専門としてきたテレビCMだけでなく、新たにマーケティング調査やWeb広告の領域においても支援サービスをリリースしたという。本記事では2022年4月6日(水)に開かれた同社の事業戦略発表会の内容をレポート。マーケティング業界の課題を踏まえ、新サービスが課題の解決に寄与する可能性や社として目指す方向性について、代表取締役社長の田部正樹氏が語った。

「運用型テレビCM市場の創造」から新たなステージへ

 「運用型テレビCM市場の創造」をミッションに掲げてサービスを提供してきたノバセル。ミッションの背景には未開拓市場への可能性だけでなく、ラクスルのマーケティングにおける成功体験があった。

「ラクスルでは、上場前の4年間でテレビCMに累計50億円以上の予算を投下してきました。テレビCMの出稿において我々が最重要視したのは『指名検索数の伸長』です。社名の検索数を比較すると競合に約16倍も差をつけられていたところから、テレビCMによって検索数を約20倍に伸ばすことができました。そのノウハウを活用したのが『ノバセル』です」(田部氏)

ノバセル 代表取締役社長 田部正樹氏
ノバセル 代表取締役社長 田部正樹氏

 現在ノバセルでは2つの事業を展開している。クリエイティブの制作からメディアの放映までをワンストップで支援する広告代理事業と「ノバセルアナリティクス」をはじめとするSaaS事業だ。収益性の高い広告代理事業で得られた利益をSaaS事業への投資に回すことができるため「この事業体系にこそノバセルの優位性がある」と田部氏は語る。

 2018年1月にサービスを開始し、2022年7月期にはラクスル全体におけるノバセル事業の売上構成比が11.5%まで成長。売上総利益率も40~50%を推移している。

 順調に成長を続けるノバセルだが、2022年4月から事業戦略をアップデートし、新たなサービスを複数リリースするという。新しい戦略やサービスを紹介する前に、田部氏はまずマーケティング業界に見られる3つの課題を指摘。ノバセルが企業の経営者やマーケティング担当者に向けて行った調査の結果とともに解説する。

「テレビCM=高い」効果計測とノウハウ不足が課題

 1つ目は「多額の投資を可視化できていない」という課題だ。ノバセルの調査によると、テレビCMのイメージとして最も多く挙がったのは「莫大な予算が必要」だったという。「大きな広告効果を見込める」などのポジティブなイメージは8~12%にとどまった。

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 同じ調査で「広告手段としてテレビCMを使わない理由」を聞いたところ、やはり「費用が高い」「効果の可視化ができない」「投資対効果が合わない」という回答が上位に。「ラクスルでは売上が7億円だった頃にテレビCMを打っていた」と語る田部氏は「テレビCMはうまく活用すれば効果が出るのに、そのイメージが市場にまだ浸透していない」と続ける。

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 また調査ではテレビCMの正しい効果計測や適切な投資判断についても聴取。すると「できている」と答えた人の割合は全体の約4分の1にとどまり、田部氏は「ここが最大の課題」と話す。

 2つ目の課題は「人材/ノウハウの不足」だ。マーケティング戦略を立てる際の困りごとで最も多かったのは「自社にノウハウがない」という回答。そのほか「社内に戦略を立てられる人がいない」など、ノウハウ・人材不足に関する項目が上位にランクインした。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/05/11 07:30 https://markezine.jp/article/detail/38876

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