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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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イベントレポート

ノバセルが事業領域を一気に拡張 3つの新サービスで「マーケティングの民主化」をいかに加速させるか

広告費用のブラックボックス化が最大の不安材料

 田部氏は2番目に多かった「顧客のニーズ把握ができていない」という回答にも着目。顧客のニーズを把握する手段である「アンケート調査」について意識調査を行ったところ、アンケートの重要性を6割強が感じている一方で「実施できている」と回答した人はわずか3割にとどまった。

 アンケートを用いた定量調査とインタビューを用いた定性調査、それぞれにおける課題を聴取した結果、前者においては「聴き方がわからない」後者においては「分析結果から施策へのつなぎ方がわからない」という回答がトップを占めた。

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 アンケート調査を実施できていない最大の理由は予算にあった。そしてここでもノウハウ・人材の不足の回答割合は大きく「ほとんどのマーケティング課題の根底には人材/ノウハウ不足がある」と田部氏は考えを述べる。

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 3つ目の課題は「曖昧な広告費用への不満と費用対効果の説明」。田部氏は「1つ目と重なる部分がある」としながらも「そもそも可視化のさらに1歩手前で、広告の費用自体に不透明性を感じている担当者が多いのではないか」という仮説を立てた。

 実際、調査で「テレビCMの実施を目的として広告会社と取引を行う際の不安事項」を聞くと「費用が適切であるか判断できない」という回答がトップに。判断基準を持たないゆえに「本来必要な費用よりも高い提案を受けるかもしれない」という不安を感じる広告主も多いという。

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「マージンやコンサルティング費用の内訳がブラックボックス化されているためにテレビCMの適正費用がわからず、そのことが広告会社との取引において不安材料になっているのです。テレビCMの実施において広告会社に最も期待することが『費用対効果』であるという結果からも、費用の曖昧さと効果の不透明性が業界全体の課題であると言えます」(田部氏)

指名検索のCVRは一般ワードの約12倍

 これら3つの課題を解決する手段として、ノバセルは新たに3つのサービスをリリースした。1つ目が「ノバセルトレンド」だ。ノバセルの主力製品であるノバセルアナリティクスが自社のテレビCM効果を可視化するためのツールであるのに対し、ノバセルトレンドは競合他社を含めた全CMの効果を可視化するのだという。

 自社と競合のCM効果を比較する際の指標として、ノバセルが重視しているのは「指名検索数」だ。実際、ノバセルが行った調査でも3社に1社以上が「指名検索を重視している」と回答した。

「脱Cookieの時代において、指名検索数はより重要になってきます。追跡型の広告が打てなくなる分、企業が注力すべきマーケティング手段は大きく2つしかありません。1つは、既に自社で持っているファーストパーティーデータを基にCRMを行う方法。そしてもう1つが指名検索です」(田部氏)

 ヤフーが行った研究では、ユーザーが商品・サービスを検討する際の検索キーワードが社名などの指名キーワードである場合と、そうでない場合のCVRを比較。すると、前者のCVRは後者の約12倍だったという(出典:ヤフー『1番目の指名検索「指名キーワード起点」が新たなブランディング指標に。』)

 ノバセルトレンドでは、大手検索エンジンと共同で瞬間指名検索増分を計測する仕組みを独自に開発。テレビCM放映時間の前後3分での効果計測を可能にした。これにより、ブランド間での検索スコア比較だけでなく、クリエイティブ別や放映枠別に指名検索数を比較することができる。

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成果報酬型のマージンで費用対効果の不透明性を解消

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/05/11 07:30 https://markezine.jp/article/detail/38876

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