読売新聞東京本社とSMNは、読売新聞東京本社に「YOMIURI X-SOLUTIONS」(略称YxS)を設立し、デジタルを軸とした広告ビジネスで協業していくことで合意した。さらに、両社は資本提携に向けた基本合意書も締結。読売新聞東京本社が第三者割当増資によってSMNの株式5%程度を取得することを検討している。
今回の協業で読売新聞グループが保有する、新聞読者をベースとした370万IDのデータ基盤「yomiuri ONE」と、SMNが保有するインターネット接続テレビ約780万台の視聴データテレビ視聴データ「Connected TV Data Bridge(TVBridge)」を連携させ、SMNの「Logicad」DSPを基に新たに開発する「YxS アドプラットフォーム」での広告配信に活用する。
2大マス媒体の接触データを連携させることで、読売新聞オンライン上の記事閲覧傾向やテレビ番組の視聴傾向を一元的に把握することが可能となる。これにより、新聞広告の最適な使い方やテレビCMの最適な放映時間帯などを割り出し、デジタル広告では届きにくいターゲットの周辺層にリーチするとともに、デジタル広告をセグメント配信することでコアターゲット層には的確に届け、複数メディアを横断しつつその相乗効果を高め、統合型マーケティングを実現する。
また、広告主の持つ顧客データや店舗購買データと連携させることも可能。データをもとにした戦略立案など、広告の領域を超えてソリューション施策を提案できるようになる。
あわせて、広告効果についてもオンライン広告とオフライン広告を横断して評価できる新たな指標の開発を目指す。その際には、読売巨人軍、よみうりランド、マロニエゲートなどのリアルな接触ポイントをメディアとして捉え、生活者へのマーケティングタッチポイントとしたうえで、データ取得ポイントとしても利用していく。
読売新聞グループのメディアおよび上述の通りリアル接点を持ち、SMNは自社開発の独自技術とデジタルマーケティングの知見を持つ。また、グループ会社のソニーネットワークコミュニケーションズは通信、ICTソリューションなど幅広い事業を持つ。今後、両社の提携によって広告分野にとどまらない事業開発を継続的に進めていく。
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