ジェイアール東日本企画と野村総合研究所(以下、NRI)はデジタル時代におけるメディアミックスに関する共同研究を行った。
本研究では、NRIの広告効果測定サービス「Insight Signal(インサイトシグナル)」のデータを活用。広告主によるメディアミックスの実態調査と、広告効果の比較検証を行った。
8割超の企業が2~3メディアに出稿
メディアミックスの過去3年間の出稿パターンを分析したところ、86.6%の企業が2メディア、ないし3メディアで展開していた。
また2メディアで展開する企業の出稿メディアを見ると、77.9%が「テレビ×Web」でメディアミックスを実施。3メディアで展開する企業の62%が「テレビ×Web×OOH」で出稿していた。
2メディアより3メディアのほうが高い広告効果を示す
本調査では、シミュレーションを通じて「テレビ×Web」と「テレビ×Web×OOH」の広告効果を比較検証。期間を2ヵ月、予算を3億円、KPIを「購入意向」とし、OOHは交通広告に設定した。全84パターンを検証した結果「テレビ×Web」の2メディア展開よりも、同じ予算内で「テレビ×Web×交通広告」の3メディア展開を行ったほうがKPIの押し上げ効果は高く、その差は1.12倍に。
Z世代を対象にシミュレーションを行った場合、その差はさらに広がり1.3倍となった。
予算配分の最適解は「テレビ65%、Web20%、交通広告15%」
また、シミュレーションを通じて最適な予算配分についても検証。全84パターン中、KPIの押し上げ効果が最も高かった予算配分は「テレビ65%、Web20%、交通広告15%」。Z世代を対象にシミュレーションを行った場合は「テレビ40%、Web35%、交通広告25%」が最も高い効果を示した。
【調査概要】
対象:関東在住の20~69歳男女(集計値は人口構成に合わせてウェイトバック処理)
サンプルサイズ:各調査回2,500~3,000(調査回によって変動)
時期:2021年7月~9月
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