CTVは数年で必須のタッチポイントに
現在、国内におけるCTVの普及率は50%を超えており(参照:CCI「国内動画配信サービス・プレイブック」/2020年6月調査)、今後も拡大していくことが見込まれます。最近では、Amazon×ヤマダホールディングスの「Fire TV搭載型スマートテレビ」やドン・キホーテの「チューナーレススマートTV」の話題を耳にされた読者の方も多いのではないでしょうか。
CTVデバイスそのものの普及にともない、先ほど紹介したサービスのonTV率(テレビでの視聴割合)も年々伸長しています。TVerでは、2022年3月時点 でのonTV率は約25% と、前年対比で約2倍の伸びを見せています。YouTubeでも、2021年3月時点 でCTVでの視聴者数は2,000万人を超えており、サービスを問わず“CTVで視聴する”という行動が増加していることがわかります。
実際に広告配信をしてみると、デバイス指定なしのYouTube配信の場合、CTV面への配信割合は約30%です(2022年3月現在)。こうした状況を鑑みると、CTVが生活者との主要なタッチポイントへと成長していくことは間違いなく、TVCMやWeb広告と組み合わせた活用の重要度が年々高まってきています。
CTV広告に期待される“3つのマーケティング価値”
ここまで、CTVの浸透度合いについて触れてきましたが、ここからはマーケティング施策におけるCTV広告の価値について考えていきたいと思います。
1.TVCMを上回る効率的なターゲットリーチ
CTV広告は、TVCMと同じテレビ画面へ配信される広告ですが、2つの点で大きな違いがあります。
1つは、ターゲティングが可能である点。TVerであればアンケートデータをもとにターゲティングが可能ですし、YouTubeの場合も、スマホ・パソコンとほぼ同じようにターゲティング設定をすることが可能です。したがって、ターゲット以外のユーザーに対する広告の無駄打ちを削減できます。
もう1つは、フリークエンシー(重複接触、以下FQ)制御が可能である点。弊社内でも「名称認知に必要なFQは最低でも○回」「○回以上のリーチは態度変容効果が薄い」といった基準値が溜まっていますが、FQ制御をかけることで過剰な重複リーチを回避できます。
以上の2点から、同じテレビの大画面への広告配信でありながら、TVCMとCTV広告を比べると、確実にCTV広告のほうが安価にターゲットへリーチすることができます。このように、CTV広告を活用することで、より効率的に大画面を通じて、届けたいターゲットへリーチすることが可能です(※)。
※これは、あくまでターゲットリーチ単価という軸で比較した際のギャップであり「TVCMよりもCTV広告が優れる」という主張ではありません。地上波同時放送による瞬間的な大量の視聴獲得や提供枠ならではの質的価値など、TVCM特有の良さも存在するため、一概に良し悪しを語ることはできません。
CTVのターゲティング設定に関する補足ですが、テレビというデバイスの性質上、2人世帯以上の場合にはややターゲティング精度が落ちてしまいます。想定していたユーザーと、広告が表示される瞬間に見ているユーザーが必ずしも一致しない可能性があるからです。
直近ではこの問題への対応策として、国内外で様々なソリューションが提供され始めており、注目しておきたいテーマの1つです。