チーターデジタルは6月2日、パーソナライゼーションやプライバシー、ブランドロイヤルティに関する世界の消費者意識と傾向の調査レポート「デジタル消費者トレンドインデックス2022」を発表した。
同調査は日本を含む7ヶ国5,404名を対象に、消費者の「ブランドに期待すること」「好んで利用するチャネル」「個人に最適化された広告体験のお返しとして進んで開示するデータ」といった項目を調査している。
調査結果の概要は以下の通り。
78%の消費者がロイヤルティの高いお気に入りブランドを持つ
78%がロイヤルティの高いお気に入りブランドを持つとの回答のとおり、ブランドロイヤルティへの関心は引き続き上昇傾向にある。多くの消費者はお気に入りブランドに対し、自身のために最適化されたサービスを期待している。
的外れなパーソナライゼーションが常態化
同時に、パーソナライゼーションに対する不満も前年比で増加していた。特に、「自分の要望やニーズを反映していないメッセージに関する不満」は52%も増加している。
プライバシーはロイヤルティを高めるための差別化要因
ロイヤルティを高める要素としては、55%が「素晴らしい商品/サービスがある」、39%が「安全に購入できると思う」、34%が「ブランドが提供するロイヤルティプログラム」、31%が「利便性」と回答。こうしたポイントへの投資が他ブランドとの差別化となりうる。また、24%の消費者は、「自分のデータに対して責任を持つブランド」へのロイヤルティが高いことも判明した。
日本の消費者は「安全に購入できること」を最重要視
特定のブランドにロイヤルティを抱く理由として、日本では「安全に購入できると思う」という回答が最も多かった。他国と比較すると、日本の消費者はブランドを運営する企業の倫理感や価値提案に注目しており、プライバシーは今や価格や顧客体験と変わらない重要な差別化要因と考えられる。
収益性の高い顧客が競合他社へ移動
消費者のうち57%が、ロイヤルティを抱くブランドには少し余分にお金を払うつもりがあると回答している。その一方で、67%が同じブランドから繰り返し商品を購入しているものの、そのブランドにロイヤルティを感じているわけではないということも判明した。現在の市場では古い消費者行動パターンはもはや通用せず、生き残りのためには新たな戦略を導入し、適応していく必要があることがわかる。
【調査概要】
・対象国:7カ国
(オーストラリア、フランス、日本、スペイン、英国、アイルランド、米国)
・サンプル数:男女5,404名
・年齢層:18〜24歳、25〜39歳、40〜54歳、55〜75歳
・年間世帯収入:0〜25,000米ドル、 25,001〜50,000米ドル、50,001〜75,000米ドル、
75,001〜100,000米ドル、100,001〜150,000米ドル、150,000米ドル超
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