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特集:現場に再現性をもたらす マーケターが知っておきたい手法&フレームワーク

音部大輔氏が考える、マーケティングにおけるフレームワークの有効性 実務に活かすためのポイントは?

 マーケティングで用いることができるフレームワークや手法を5つ解説している今号の特集企画。その重要なイントロとして、クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役の音部大輔氏を取材した。フレームワークを個人あるいは組織で習得し、実務に活かしていくときに大切なことは何か? フレームワークを活かせる人と活かせない人の違いはどこにあるのか? マーケティング活動の全体設計図である「パーセプションフロー・モデル」を開発し、多数の企業でその導入・活用を支援してきた同氏にお話しいただいた。

※本記事は、2022年6月25日刊行の定期誌『MarkeZine』78号に掲載したものです。

フレームワークは「経験値の塊」である

株式会社クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役 音部大輔(おとべ・だいすけ)氏 17年間の日米P&Gを経て、欧州系消費財メーカーや資生堂などでマーケティング組織強化やビジネスの回復・伸長を主導。2018年より独立し現職。著書に『The Art of Marketing マーケティングの技法』(宣伝会議)、『なぜ「戦略」で差がつくのか。』(宣伝会議)、『マーケティングプロフェッショナルの視点』(日経BP)がある。
株式会社クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役 音部大輔(おとべ・だいすけ)氏
17年間の日米P&Gを経て、欧州系消費財メーカーや資生堂などでマーケティング組織強化やビジネスの回復・伸長を主導。2018年より独立し現職。著書に『The Art of Marketing マーケティングの技法』(宣伝会議)、『なぜ「戦略」で差がつくのか。』(宣伝会議)、『マーケティングプロフェッショナルの視点』(日経BP)がある。

──はじめに、マーケティングにおけるフレームワーク活用の有効性について、音部さんはどのようにお考えでしょうか?

 そもそもフレームワークというのは、「仕組み」か「働きかけ方」のいずれかを汎用化したものであることが多いです。このうち「仕組み」というのは、活動計画の前提となる公理や公式のようなもので、マーケティング4PやAIDMAなどはこちらにあたります。

 もう一つの「働きかけ方」は、活動計画を立てるときに役立つ普遍的な考え方や手続きのことをいいます。自著『The Art of Marketing マーケティングの技法』で解説したパーセプションフロー・モデルやブランドホロタイプ・モデル、あるいはWho/What/Howやマーケティング・ミックス・モデリング(MMM)のような手法も調査の働きかけ方という意味でこちら側に含まれます。また、世の中に広く知られていないだけで、会社によってフレームワーク化されている「働きかけ方」はたくさんあります。たとえば、新商品を開発するとき、どのタイミングでアイデアを出して、いつまでにクオリファイし、どういう会議体で進めていくか、といった手続きは各会社で決まっているでしょう。こういったものも働きかけ方のフレームワークであると言えます。

『The Art of Marketing マーケティングの技法』(宣伝会議)
『The Art of Marketing マーケティングの技法』(宣伝会議)

 そして、「仕組み」と「働きかけ方」のいずれのパターンであっても、基本的にフレームワークは、過去の経験を帰納的に蓄積することで形成されています。ちなみに、現代我々がするほとんどの体験は二次体験です。二次体験とは、自分以外の誰かの経験を自分の経験知識として獲得することを指します。マーケティングにおいても、自分で直接体験して得る知識より、書籍やネットで読んだり、先輩に聞いたりして得る知識のほうが多いですよね。

 つまり、過去の学びや知見、成功や失敗のエッセンスなどを反映させた「経験値の塊」がフレームワークなので、“しっかり作られたフレームワーク”は使えるほうが絶対に有利です。100時間かけて得られたラーニング、または100人分のラーニングをもって作られたフレームワークに一人でたどり着くのは大変ですが、フレームワークを使えば、100時間かけずしてそこにたどり着けるのですから。

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“汎用性の高い”フレームワークに“習熟する”ことが重要

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/24 08:30 https://markezine.jp/article/detail/39222

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