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BtoBマーケティングの開拓者たち

SEOにおける戦略設計の重要性

まずはどこで戦うのかを決める

 SEOの戦略を立てる上では、まずどこで(どのキーワードで)戦うのかを探り、決める必要があります。我々は、それを企業の「経営マター」と「マーケティングマター」の2つの側面から見極める必要があると考えます。

 経営マターとは、企業の事業自体に関わることです。たとえば不動産会社の場合。不動産“賃貸仲介会社”のA社と、不動産“ポータルサイト”のB社を比べると、サイトに掲載されている物件量は、B社のほうが圧倒的に多いはずです。B社はポータルサイトという立ち位置で、複数の事業主の物件を掲載しているからです。そのため、物件量が重視されるような検索意図を持ったキーワードでは、A社はB社を抜くことは難しい、ということになります。

 こういった事業自体を変えないと対策できない領域を、我々は「経営マター」と呼んでいます。先ほどの不動産会社の例で言えば、経営マターが変わらない中で物件数が重視される検索意図を持ったキーワードに対策を施しても意味がありません。それを差し引いた部分が「マーケティングマター」であり、戦略を立て、戦術に落とし込むことができる領域です。

対策するキーワードを絞り込む

 続いて、対策するキーワードを絞り込むためには、ベンチマークしている競合他社の状況を把握し、その他社の戦略を読み取り、自社はどこで戦い、勝っていくべきなのかを探っていく必要があります。

 その上で理解しておくべきことは“Googleが評価するSEO要素はキーワードの種類によって変わる”という点です。Googleは検索されたキーワードに適したサイトの評価を「Page Quality(ページクオリティ)」「Needs Met(ニーズメット)」「Score Loss(スコアロス)」の3つの要素で行います。

Page Quality:そのページ/ドメインの専門性・権威性・信頼性(E-A-Tと定義される)を評価する指標。主に外部からの評価で決定すると考えられる。被リンク数(外部のサイトから自分のサイトへ向けられたリンクの数)や指名検索数(会社名・サービス名の検索数)などが影響する。

Needs Met:そのキーワードで検索したユーザーのニーズにどの程度応えられているかを測る指標。コンテンツの質や量が影響する。

Score Loss:Googleにコンテンツが正しく認識されないなどのマイナス要素がないかの評価指標。

 また、キーワードの種類は、単体キーワードと掛け合わせキーワードに分類できます。「賃貸」のような単体キーワードは、意味が広く曖昧なことから、Googleがユーザーの検索意図を読み取りにくいキーワードと言えます。そのためGoogleはPageQuality(サイトの権威や信用)を重要視する傾向があります。一方、「賃貸渋谷」のような掛け合わせキーワードは、ユーザーの検索ニーズを読み取りやすいため、GoogleはNeedsMet(サイトのコンテンツ)を重要視する傾向があります。

 単体キーワードは検索数が多いため、そこで検索結果上位に掲載できれば圧倒的なトラフィックを獲得できますが、その実現のための対策難易度は高いです。競合と比較した際にあまり大きな差がない、もしくはそこを戦略的に強化している他社が存在しない場合には、単体キーワードでの上位掲載を狙うことを検討します。

 これに対して掛け合わせキーワードは、検索数は少なくなるものの、幅広いキーワードを対策対象にして、コンテンツの量や質を上げていくことで、幅広いキーワードからトラフィックを獲得することも可能です。また、NeedsMetへの対策はPageQualityへの対策よりもコントロールしやすく、難易度は低いと言えます。

キーワードによる対策の違い
キーワードによる対策の違い

 このように、自社の強みや競合他社の対策の強弱を踏まえ、どの軸の掛け合わせキーワードを対策していくのかを検討します。

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現実的に狙える順位を把握するのが重要

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この記事の著者

増田 光恵(マスダ ミツエ)

株式会社AViC UXマーケティング事業 本部長。2007年にサイバーエージェントに新卒入社。営業局長、SEMコンサルティング局長、ソーシャルメディア局長を歴任。2021年4月に株式会社AViCに入社、SEO領域を担うUXマーケティング事業の本部長に就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/30 08:30 https://markezine.jp/article/detail/39262

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