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BtoBマーケティングの開拓者たち

SEOにおける戦略設計の重要性

現実的に狙える順位を把握するのが重要

 最終的に対策キーワードを選定するにあたっては、各キーワードにおけるポテンシャルを算出することが重要です。各キーワードで狙える順位と、その掲載順位を実現できた際に見込めるトラフィック数、およびそこからCVまでに至る数を算出します。この工程では「現実的に狙える順位を把握すること」がポイントの一つとなります。

 「現実的に狙える」とはどういうことかを説明します。Googleのアルゴリズムには「QDD(Query Deserves Diversity:多様性のある検索結果)」という、検索キーワードに含まれる検索意図に様々な可能性が考えられる場合に、検索結果に表示させるページに多様性を持たせ、様々な選択肢をユーザーに与えるロジックが組み込まれています。

 たとえば“モニター”というキーワードで検索した際には、「商品点数」「おすすめ商品」「専門的な知識」「商品比較情報」などのニーズにそれぞれ応えるように、検索結果にはショッピングモール、家電量販店、メーカー、メディアなどの様々な事業会社が並びます。つまり、メーカー企業が“モニター”で対策した場合に現実的に狙える順位は、メーカーが掲載される場所における1位が、蓋然性高く狙える最上位であると定義できます。

 このように難易度とポテンシャルを考慮した上で、対策キーワードの優先順位を決めることを推奨します。

差別化を意識した施策への落とし込み

 対策キーワードが決まったら、次は施策へ落とし込んでいきます。対策キーワードを検索した際の検索結果、特に上位に掲載されるベンチマーク企業の情報からGoogleのアルゴリズムを紐解き、打ち手を導き出していくのです。

 具体的には、Googleが(≒検索ユーザーが)何の情報を求めていて、どういう情報でニーズを満たそうとしているのかを、検索結果上位の各サイトページの内容やコンテンツ量から推測していきます。特に「単体キーワード」は検索意図が多岐にわたり抽象度が高いため、その中でもどのようなニーズを満たしているサイトが高い順位を獲得できているのかを、ベンチマーク企業のサイトコンテンツを調査して当てを付けることが重要です。

「モニター」でGoogle検索したときの検索結果
「モニター」でGoogle検索したときの検索結果

 このようにして導いた検索意図に対して、自社でニーズを満たすためのコミュニケーションプランニング、およびサイトの増強を進めていく必要があるのですが、その際に意識していただきたいのが、自社の独自情報・独自データなどを用いてコミュニケーション設計をすることです。独自性が低い場合には、競合他社から模倣されて簡単に同質化されてしまうからです。自社で行ったマーケット調査や顧客アンケートデータなどがあり、コミュニケーションとして有効であれば、積極的に活用しましょう。

 掛け合わせキーワードは検索意図がわかりやすいため、対策として新たにその検索意図に応答できる記事ページを作成する手段が一つの有効な施策となりますが、その際にも上位に掲載されている他社のベンチマーク企業のサイトコンテンツを確認し、ただ同質化するだけではなく、加えてどう“差別化”するかを意識してコンテンツ設計することが非常に大事です。

精度の高い“確からしさ”を追究し続ける

 「どこでどういう成果を狙ってSEOを行うのか」を明確にすることで、何をモニタリングし、何をもって評価をするのかも明確にすることができ、会社としてSEOにどのくらいの投資をすべきなのかの判断もしやすくなります。SEOは時間と労力はかかってしまいますが、享受できるメリットは大きいため、しっかりと戦略を考えた上で施策に落とし込むということを、ぜひ意識して実施していただきたいと思います。

 また、SEOにおいては“明確な正解”があるわけではなく、客観的に集められるデータから仮説を立てて“確からしいもの”を見つけ続けていく必要があります。当社も様々なお客様へのサポートを通じて、成果を出すための精度の高い“確からしい”戦略設計を提示できるよう、今後も挑戦を続けてまいります。

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この記事の著者

増田 光恵(マスダ ミツエ)

株式会社AViC UXマーケティング事業 本部長。2007年にサイバーエージェントに新卒入社。営業局長、SEMコンサルティング局長、ソーシャルメディア局長を歴任。2021年4月に株式会社AViCに入社、SEO領域を担うUXマーケティング事業の本部長に就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/30 08:30 https://markezine.jp/article/detail/39262

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