※本記事は、2022年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』79号に掲載したものです。
特集:TikTok×マーケティングの最前線
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若年層との距離を縮めるためにアカウント開設
──ほっともっとのTikTokアカウントを立ち上げた背景を教えてください。
大学生や新社会人などの若年層の方々との距離を縮め、ほっともっとのイメージをよりポジティブにしたいという思いから立ち上げました。以前行った調査で、一人暮らしの大学生や新社会人の方々がほっともっとのファンになっていただけるポテンシャルが高いことがわかり、若年層へのアプローチを強化したいと考えていました。
これまではテレビCMやネット広告の出稿がコミュニケーションの中心になっていたので、まずTwitterやFacebookなどのSNSでの発信を強化していました。そして、TikTokには若年層のユーザーが多くいることに加えて、ユーザー同士が動画やコメントを通じてコミュニケーションを活発に行っていることから、アプローチを強化しようと公式アカウントを立ち上げ、動画の投稿を始めました。
商品訴求とコミュニケーションをうまく使い分ける
──では、アカウント運用はどのように行っているのでしょうか。
現在は、月16本程度の動画を公開しています。動画の企画から撮影、編集に関しては外部のパートナー様にご協力いただいています。また、撮影に関しては私が立ち合い、カメラマンさんと一緒に行っています。
──16本程度動画を投稿しているとのことですが、どのようなコンテンツをアップしているのでしょうか。
月10本程度は商品に関する情報提供をメインにした動画になっています。毎月新商品が2〜3品発売されるため、それらの商品に関するものと、ターゲットである若年層が好きそうなロースかつ丼やから揚弁当などの定番メニューのものが中心です。
また、幕の内弁当など完成までの工程が多い弁当に関する動画の再生回数が多いこともわかってきたので、そういった動画も投稿することで「ほっともっとにこんな商品があったんだ」と気づいてもらえるようにしています。 そして、残りの動画はユーザーとのコミュニケーションを目的に、流行している音源や編集方法、アニメーションを駆使して動画を作っています。弊社が伝えたい情報だけを流すことがないように意識しています。