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特集:TikTok×マーケティングの最前線

TikTokマーケのプロに聞く、TikTokの魅力と活用のポイント

トレンドの起点になり購買にもつながる、最強のマーケティングプラットフォーム(トレンダーズ)

TikTokは直感的な購買行動を生む

 TikTok最大の強みは、SNS上の“イノベーター”や“アーリーアダプター”といった層に効率よくリーチできる点です。彼らが生み出すクリエイティビティあふれるUGCは幅広い層に影響を与え、SNSでのトレンドを巻き起こします。また、プラットフォームの仕様そのものが購買を促しやすいという点も大きな強みです。精度の高いレコメンドアルゴリズムにより、コンテンツを興味関心の高いユーザーに届けることができ、縦型かつフルアテンションの短尺動画というフォーマット特性が、見る人に没入感を与え欲求をかきたてることにより、直感的な購買行動につながりやすいのです。

 SNSトレンドの起点になり購買にもつながる、最強のマーケティングプラットフォームともいえるTikTok。最近では新たな活用方法も生まれています。それが「受け身検索」です。「SNSで情報を検索する」という行為は日常的なものとなっていますが、TikTokが特徴的なのは、検索画面を開くと直近の利用履歴に基づく「検索候補」が表示され、次々と関連ワードがサジェストされていく点です。この機能により、本来調べたかった情報以外にも“ついでに”検索していってしまう、「受け身検索」とも呼べる行動が生まれるのです。この新しい検索行動により、ユーザーの興味関心とコンテンツとを結ぶ経路はさらに細分化されていきます。そのため、同じ商品を訴求するとしてもコンテンツのバリエーションを担保できる施策設計が必要でしょう。

TikTok×「食」「美容」の相性は抜群

 トレンダーズが2022年5月に実施したインターネット調査(10〜30代女性541名が対象)では、TikTokでよく見られているコンテンツのカテゴリは「食」と「美容」がトップ2でした。しかしこの2つのカテゴリのTikTokでの投稿傾向には大きな違いが見られます。食においては、料理が完成するまでのプロセスを早送りで見せたり、映像ではお弁当を作りながら音声は子育て情報のシェアをしたりと、シーンおよび演出のバリエーションが豊富です。食が日常と密接なものであるからこそ、日常のありのままを様々な形で切り取るのが食のコンテンツ傾向といえます。

 一方で美容においては商品を試した感想を投稿する「レビュー動画」やメイクで変身していく様子を見せる「変身動画」が人気ですが、どちらもナレーションやテロップといった編集の工夫が求められ、クリエイターの動画編集技術はどんどん高まっている印象があります。このように同じTikTokでもカテゴリによって特性が見られるため、マーケティング活用においてはTikTok内のトレンドを把握し続けることも欠かせません。TikTokのムーブメントを皮切りとして、InstagramリールやYouTubeショート等、縦型×短尺の動画市場は今後ますます活況となることが見込まれます。今後のマーケティング活用においてはTikTokのみならず、それぞれのプラットフォーム特性も見極めたプランニングが求められていくでしょう。

トレンダーズ株式会社 ストラテジックプランニング Div. エグゼクティブマネージャー 佐藤由紀奈氏

Sトレンダーズ株式会社 ストラテジックプランニング Div.
エグゼクティブマネージャー 佐藤由紀奈氏

TikTokは“新世代に馴染む”プラットフォーム(Natee)

TikTokが持つ、“新世代に馴染む”3つの属性

 TikTokは他のプラットフォームと比較して最も「“新世代に馴染む”プラットフォーム」だと考えています。こう考える理由は、TikTokが「ショートムービー」「レコメンド」「オーセンティック」という3つの“新世代に馴染む”属性を備えているからです。

 「ショートムービー」とは「短尺縦型動画」の意で、“1分足らずの短尺”の“スマホにフィットした縦型”の“動画”というコンテンツフォーマットを指します。スマホが生活に浸透しコンテンツが飽和した現在、人間の「面倒」「無駄」を嫌う性質は「スマホを横にするのは面倒」「見るのが大変」「つまらないコンテンツに時間を費やすのは嫌」といった意識をもたらしました。だから自然と、スマホを縦のままにして見ることができ、タイムパフォーマンスが高い「ショートムービー」というコンテンツフォーマットが好まれるようになったのです。TikTokはYouTubeやInstagramとは違い、当初からショートムービーを前提としたプラットフォーム設計になっていますから、ものすごい勢いでユーザーに使われるようになっていきました。

 次に「レコメンド」ですが、これは「TikTok独自のレコメンドシステムがユーザーに合うコンテンツを個別的に送り込んでくる」UXを指します。従前の媒体だと、検索したものにコンテンツが打ち返される「検索型」や、フォローしたアカウントのコンテンツが流される「フォロー型」のUXが一般的でした。しかしTik-Tokはそのいずれでもなく「レコメンド型」をとっています。当然、何もせずとも自分の好みに合うものを次々と提示してくれる形態が最もコスパが良いですから、「面倒」「無駄」嫌いが加速した今のユーザーはそちらを好みます。

 最後に「オーセンティック」ですが、これはTikTokユーザーが「極めて自然体にクリエイティブを楽しんでいる」というプラットフォームの文化を指しています。TikTokには豊富な動画編集機能があり、誰であっても簡単に動画コンテンツを制作することができます。加えて、前述したレコメンドのおかげでどんなコンテンツも“届くべき人に届く”ため、肩肘張らずに自然体なコンテンツを作り楽しむことができるのです。結果としてTikTokには“見ていてしんどくない”純粋なクリエイティビティの文化が醸成され、その点が現代のユーザーの好みと親和していると言えます。

TikTok is Now!!

 ここまでTikTokの特徴を「ショートムービー」「レコメンド」「オーセンティック」という3つのコンセプトに沿って解説してきましたが、「TikTok売れ」の言葉に代表されるようにTikTokでは購買促進が呼び起こされることも証明されています。TikTokが「新世代を代表するプラットフォーム」になる未来はそう遠くないでしょう。マーケターの皆さん、TikTok is Now!!ですよ。

株式会社Natee 取締役 COO 朝戸太將氏

株式会社Natee 取締役 COO 朝戸太將氏

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MarkeZine(マーケジン)
2022/07/27 08:30 https://markezine.jp/article/detail/39474

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