中国市場を見据えて台湾企業に注目
台湾系のネットベンチャーの経営者は、非常にパワフル。音楽配信サイトKKBOXを運営する台湾のSkysoft社COO のChris Lin(林冠群)氏は「われわれのサイトは、台湾の音楽シーンに多大な影響を持っている。レコード会社もアーチストも、われわれのサイトのランキングを気にしている。アップルなんて脅威じゃないんだ」と言う。Lin氏によると、アップルの音楽配信サイトiTunesは台湾でのシェアは高くないらしい。「台湾人は1曲幾らで購入するより定額制の聞き放題を好むんだ。それにわれわれのサイトはiTunesとMyspaceを合わせたようなもの。コミュニティに力を入れている。成功するコミュニティを作れるのは、ローカル企業だけ。外資系には無理なんだ」とLin氏は自信たっぷりに語る。
台湾のネットベンチャーは中国本土をも視野に入れている。Lin氏は「台湾で流行するアーチストは中国本土でも流行する。われわれは中国本土にも影響力を持っている。中国全体の音楽配信まで押さえることができれば、非常に大きなビジネスになる」と言う。
女性向けSNS「iPartment」を運営するUnifun Computer社も台湾企業ながら中国進出を果たした。台湾のSNSとしては大手ながら、中国本土ではまだ新規参入組でシェアも低い。それでも、中国本土のユーザー数は台湾のユーザー数を抜いたという。ある日本人ベンチャーキャピタリストは言う。「台湾企業を通じて、中国本土という世界に類を見ない巨大マーケットに参入することが可能。しかも台湾企業の経営者には日本に親しみを持っている人が多い。投資先、提携相手としては理想的だ」。
新興ベンチャーの登竜門
今回のIVSの見どころのひとつは、「ローンチパッド」だろう。新興ネットベンチャーが短いデモンストレーションを行い、審査員が有望な技術、サービス、企業を表彰するというもの。優勝した企業にその場で投資が確定するわけではないが、アジアのベンチャーキャピタリストなども参加していることから、「優良企業には、あとでいろいろなオファーが殺到するのは間違いない」(関係者)という。
この模様をビデオのライブストリーミングとして実験的に配信する計画で、6月6日(金)の8:45-10:45に小林氏のブログ「インフィニティ・ベンチャーズ小林雅のblog」 にアクセスすれば、視聴できる可能性がありそうだ。
参加予定のベンチャー企業は次の通り。
- 株式会社ALBERT ECや広告の常識を覆す自動画像解析エンジン「SUDACHI」
- 株式会社エスキュービズム「Cloud Map」
- 株式会社エクストーン 自分専用ポータル「trunc」
- キューエンタテインメント株式会社「未発表サービス」
- クウジット株式会社「PlaceEngine」
- ジェイマジック株式会社 画像連動型広告プラットフォーム「AdPhoto」
- セレゴ・ジャパン株式会社「iKnow」
- 株式会社トランスメディアGP携帯flashマップによるソーシャルマッピングサービス 「mapii(マッピー)」
- 株式会社ネイキッドテクノロジー 「XUI」が拓く新しいモバイルWebエクスペリエンス「NAKEDBROWSER(仮)」
- 株式会社ハートレイルズ「未発表サービス」
- Pikkle株式会社「未発表サービス」
- 株式会社マッシュマトリックス Webブラウザで簡単マッシュアップ作成「Afrous」
- 株式会社LoiLo「LoiLoScope」
- リプレックス株式会社「Ripplex」
- 株式会社ユビキタスエンターテインメント「未発表サービス」