ユーザーに最も近い接点から販促を考える
MarkeZine編集部(以下、MZ):まずはご経歴と現在の業務、現職におけるミッションなどについてお教えください。
菅野:クラシエホームプロダクツの菅野です。所属は店頭推進部 プロモーショングループで、販促用のボードやテスターなど、店頭における販促物や助成物を作成する部署になります。
当社は直販ルートを持っておらず、卸店様を介してドラッグストア、ディスカウントストアなどに商品を納め、そこから初めて店頭のお客様との接点が生まれます。
様々な他社ブランド、メーカー様の商品が並ぶ中で、どうすればクラシエの商品を選んでいただけるかを考えるのが、我々のミッションです。
滝澤:私は元々、動画マーケティング業界出身で、営業担当として動画制作や配信、分析を行っておりました。現職では、今回クラシエホームプロダクツ様にもご利用いただいたサービス「TownWiFi Ads」の広告主様に対する営業と、開発面におけるディレクターを兼任しております。
店頭購買の70~80%が非計画購買
MZ:消費財メーカーの立場として、店頭販促施策をどのように見ていらっしゃいますか。
菅野: 商品をご購入いただくお客様との接点が一番近いのが店頭販促と捉えています。最大の目的は、やはりブランドの認知拡大と購買促進です。
一説によりますと、店頭での商品購入における「非計画購買」の割合は70~80%とも言われています。店頭で何かきっかけを起こすことができれば、お客様に手に取っていただけたり、後日購入いただくチャンスになる可能性が高まります。そのためには、競合商品と比べて目立たせる、差別化ポイントをしっかりお伝えするなど、目的と手段を明確に設定した施策を行うべきだと考えています。
店頭販促が宣伝施策と異なるのは、ユーザーとしてのお客様をより意識する点です。ブランドがもたらす漠然としたイメージではなく、商品の特長や使用感、仕上がりなどの具体的な情報を、いかにお客様にお伝えするかが重要であると考えています。
MZ:広告施策を実施する場合、流通面の調整などはどうされているのでしょうか。
菅野:たとえばテレビCMの場合、出稿期間が大体決まっていて、発売日から2~3週間後に設定しています。CM放映前までに売り場を立ち上げることが重要であると考え、そのタイミングに向けて商談を進めます。
『The Naive(ザ・ナイーブ)』の場合、発売は2022年3月上旬、CM放映開始が3月下旬でした。新商品のため、定番と言われる元々の置き場がある商品ではありません。エンドと呼ばれる陳列棚のプロモーションスペースで一斉に立ち上げました。
菅野:CMでは高橋一生さんを起用させていただき、メインビジュアルや店頭の販促物は、CMのコンセプトと合わせる形で制作しています。