9月5日、登山地図GPSアプリ「YAMAP」を運営するヤマップは、2022年7~8月の夏期におけるYAMAP利用者の登山者動向を公開した。
YAMAPは、スマホに標準装備されるGPSを活用すれば、電波が届かない山の中でもGPSが使えることに着目したアプリ。安全な登山に貢献することを目的に2013年にサービスを開始した。2020年には登山者の位置情報を家族などに送信し、遭難時の早期発見にも貢献できる「みまもり機能」を実装。安全ネットワークの仕組み作りにも取り組んでいる。
今回は警察庁から毎年9月上旬に発表される「夏期の山岳遭難概況」に先立ち、夏期登山データを公開した。
登山者数は昨年と比較して山梨、長野、静岡で増加
登山者が訪れた山を都道府県別で見ると、多い順に長野県、山梨県、岐阜県となった。昨年(2021年)の夏期と比較すると、山梨県、長野県、静岡県で最も増加。富士山や日本アルプスを訪れた登山者が多くなったと考えられる。
登山者の年代別割合では、40~50代が半分以上を占める
登山者を年代別に見ていくと、多い順に50代が29.4%、40代が26.6%、60代が14.6%、30代が14.2%となっている。総務省統計局のデータ「登山・ハイキングを行った人の状況」と比較すると、スマホを活用している登山者は全体と比べて10歳程度若くなっている。
登山のための移動距離、コロナ前の同水準に戻る
外出が最も制限された2020年の夏には、登山者は近場の低山へ行く傾向、それも自宅から50km圏内の山へ行く傾向が急増した。3年ぶりに行動制限のない夏となった2022年の登山のための移動距離は、50km未満が約40%、50~100kmが約25%、100km以上が約35%と、コロナ前の2019年と同じ水準に回復している。
高山の登山者数は回復しつつあるが、コロナ前の水準に戻らず
2022年の夏に登った山の標高を見ると、1000m未満の低山が38.7%、2500m以上の高山が19.2%となっている。高山に行く登山者の割合はコロナ前(2019年)の水準に戻りつつあるが、まだまだ回復途上となっている。これはwithコロナの時代となり、山小屋が宿泊人数を減らしたり、完全予約制になっていたりすることが影響していると考えられる。
ソロ登山の計画数の割合は増加傾向
遭難時に死亡や行方不明の確率が高いソロ登山。YAMAPで登山計画を作成する際の、「予定人数が1人」である計画を集計した。新型コロナウイルスが発生した2020年を期に、ソロ登山を計画した件数の割合は年々増えており、2022年でも増加傾向が続いている。withコロナの時代の登山では、密を避けて、少人数で登山を楽しむ傾向となってきているのがわかる。
【関連記事】
・【回答者特典あり!】MarkeZineがアンケート調査を開始
・レジャー予約のアソビュー!、電子チケットのデータ基にした分析サービスを提供
・レンタルDXのTENTとブックオフが業務提携 スポーツ・アウトドア用品の店頭レンタルサービスを開始
・ルースター、キャンプ・アウトドアに特化したInstagramのインフルエンサーPRサービスを提供開始
・ウェザーニューズ、法人向けに気象データ提供・分析サービス「世界天気予報API」の提供を開始