新規事業や新商品がなかなか軌道に乗らず、収益化はまだまだ遠い。そんなときにチェックしたいのが、PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成できているかどうかです。
PMFとはいい市場(マーケット)に的確なプロダクトを届けられている状態を意味します。いい市場なのに最適なプロダクトを作れていなかったり、いいプロダクトなのに競合だらけの市場に参入してしまっていたりするなど、市場とプロダクトがうまく噛み合っていなければPMFは達成できません。
一方で、どのようにPMFを達成すればいいのかというと、体系的なノウハウやフレームワークが確立しているわけではなく、各社での試行錯誤が続いています。
そんな状況に一石を投じる書籍が、才流の栗原康太さんが手掛ける『新規事業を成功させる PMF(プロダクトマーケットフィット)の教科書 良い市場を見つけ、ニーズを満たす製品・サービスで勝ち続ける』(翔泳社、10/11発売)です。
本書ではPMFを達成するための方法論を詳細に解説。栗原さんが経験してきたPMFの失敗と成功、さらに14社の事例をから得られた知見をまとめ、PMFとは何か、どのように達成度を測るのか、さらに組織作りや事業成長の要点まで説明されています。
様々な策を講じながらも結果が出ず、「いいマーケットなのに……」「いいプロダクトなのに……」と手詰まりを感じている方におすすめの1冊です。
目次
はじめに
第1章 PMFとはなにか
1-1 PMFの定義
1-2 PMFしている状態とは
第2章 新規事業のよくある失敗12選
2-1 なぜ、新規事業は失敗するのか
2-2 顧客ニーズを検証せずに商品をリリースしてしまう
2-3 PMF達成に必要ないことに時間を使ってしまう
2-4 商品をリリースする前に社内の議論を重ねてしまう
2-5 PMFしていないのに営業・マーケティング投資を始めてしまう
2-6 見せかけのPMFに騙されてしまう
2-7 安易に組織の人数を増やしてしまう
2-8 意思決定や打ち手の成功確率にこだわりすぎてしまう
2-9 虚栄の指標を追ってしまう
2-10 市場規模を確かめずに参入してしまう
2-11 競争戦略を描かずに参入してしまう
2-12 「やってみないとわからない」という思考停止で進めてしまう
2-13 スモール過ぎるスモールスタート
第3章 PMFを達成するまでの道のり
3-1 6つのフェーズからなるフィット・ジャーニー
3-2 CPF(カスタマープロブレムフィット)
3-3 PSF(プロブレムソリューションフィット)
3-4 SPF(ソリューションプロダクトフィット)
3-5 PMF(プロダクトマーケットフィット)
3-6 Go-to-Market(ゴートゥーマーケット)
3-7 Growth(グロース)
第4章 PMF達成の肝となるバリュープロポジション
4-1 バリュープロポジションを固める
4-2 バリュープロポジションのよくある落とし穴
4-3 バリュープロポジションを確かにするためのヒント
第5章 PMFを達成しやすい組織をつくる
5-1 誰が事業を立ち上げるべきか
5-2 新規事業の成功を左右する「解像度」
5-3 解像度を高める16個の方法
第6章 PMFの測り方
6-1 PMFを測る4つの指標
6-2 虚栄の指標
6-3 遅行指標
6-4 先行指標
6-5 定性的な指標
6-6 PMF計測の留意点
第7章 PMFした後のさらなるPMFに向けて
7-1 PMFは一度きりのイベントではない
7-2 PMF後の4つの成長の方向性
7-3 既存セグメントの獲得に注力する
7-4 既存セグメントにアップセルする
7-5 新しいセグメントに広げる
7-6 クロスセル商品を開発する
7-7 さらなるPMFを目指して
第8章 PMFの引き金となるPMFトリガー
8-1 PMFトリガーとはなにか
8-2 共通点は顧客に向き合うこと
8-3 入念なリサーチ
8-4 受託開発・コンサルティング
8-5 コンセプト創出
8-6 ターゲット変更
8-7 キラー要素の発見
8-8 市況変化への対応
第9章 14社から学ぶPMFの実現と事業成長のノウハウ
9-1 顧客満足度の向上を最優先~FLUXの場合~
9-2 独自のコンセプトを言語化~HERPの場合~
9-3 現場での観察とヒアリングを重ねる~コドモンの場合~
9-4 市況の変化に対応して2度目のPMFを達成~タイミーの場合~
9-5 パワポ1枚で売れる強いコンセプト~TOKIUMの場合~
9-6 ターゲットを絞り込み、料金プランも変更~コミューンの場合~
9-7 顧客と向き合うことを徹底~サイカの場合~
9-8 契約数で判断せず顧客満足の内実を突き詰める~プレイドの場合~
9-9 段階的にPMFを達成~WACULの場合~
9-10 営業をサボらずやり切る~Photosynthの場合~
9-11 誰になにを売るかを徹底分析~ノバセルの場合~
9-12 コアな価値の定義と集中が鍵~fondeskの場合~
9-13 毎月数十件の受注も「鬼のようなチャーン」に直面~ベーシックの場合~
9-14 解像度の高い領域で事業を立ち上げ~才流の場合~
おわりに