STEP3-6:ターゲティング
STEP3:獲得難易度チェック
前段で定義したセグメントごとに、ターゲットが本当にプロダクトやサービスを購入してくれるかの可能性を探ります。
セグメントごとに、現時点のサービスやプロダクトに関する情報を提示し、商品を購入したいか、サービスを使ってみたいかをシンプルにヒアリングし、反応を確認します。このステップに関しては、コストをかけた量的調査というよりも、自身の周りにいるターゲットにインタビューをするレベルで良いでしょう。インタビューが難しい場合は、マーケティング担当者の仮説でも問題ありません。
こちらに関しても、3が最も獲得しやすく、1が最も獲得しづらい指標として、各セグメンテーションのチャレンジレベル(獲得難易度)の点数化を行ってください。
STEP4:ブランドセンスチェック
ビジネスとして成り立つ市場規模があり、獲得難易度が高くないセグメントを見つけた場合、ブランドとして、企業として、そのセグメントを狙うことが本当に正しいかを確認します。
たとえば、若い世代に売れている商品を、高齢者に向けて売った場合、若い世代からのブランドへの離反が発生する可能性が高いです。こうした意思決定が正しいのかを経営層やマーケティングチーム内で判断します。
最近では、とある高級ブランドでYouTuberを起用したプロモーションについて賛否がわかれていました。新しい顧客を容易に獲得できる場合、何か失うものがあることはマーケティングにおける難しい点の1つです。
売上が既に大きいブランドを継続的に成長させるためには、新規の顧客獲得ができたとしても、本当にそのセグメントの顧客への訴求を行うべきか? という検討が必要です。新規ブランドであれば、積み上がったブランドの資産がありませんので、気にしすぎる必要はありませんが、ブランドイメージは購入するターゲット側によっても構築されていくので、ある程度作りたいブランドイメージが確立されている場合、このステップを通じて、狙うべきターゲットとそうでないターゲットを明確にすることは重要です。
なお、このステップでも、STEP2と3の時と同様に、3が最も獲得すべき、2がどちらとも言えない、1が獲得すべきでない指標として、点数化を行ってください。
STEP5:優先順位付け
STEP2からSTEP4までの数値を合計して、これらの各セグメントにおける優先順位の決定をします。この段階で、ブランドとして狙うターゲット群を確定させます。セグメンテーションの中で優先度によってブランドとしてどのようなコミュニケーションをすべきかの大まかな方向性が決まります。
たとえば、先ほどの女性向けの健康志向のアルコール飲料ブランドであれば、お酒が強い層を狙っていくのか、弱い層を狙っていくのか、現状メインで飲んでいるドリンクの種類、飲む頻度、健康に対する志向など、いろんな観点でのセグメントを切る事で、ターゲットの行動や心理をイメージすることができ、より具体的な製品化開発やコミュニケーション開発をすることができます。新規ブランドの製品開発や、リブランディングだけでなく、既存ブランドにおけるバナーやLP、動画広告などのクリエイティブにおいて、焦点を置いたターゲットに対して、どういったコミュニケーションをするかを決めることが可能です。
最後に、STEP7からSTEP10を説明します。ステップ7-10は、ポジショニングに属するとともに、WHATを定めていく工程になります。反対に、ステップ1-6まではWHOを定めていく工程にあたります。