営業・SEチームとの心の距離を縮めた日立製作所の事例
吉村氏のセッションに続き「BtoBマーケターのスキルアップ」というテーマでパネルディスカッションがスタート。「Adobe Marketo Engage Champion」を受賞した日立製作所の加瀬奈月氏と、ソニーペイメントサービスの目黒あやめ氏が登壇する。なお、Adobe Marketo Engage Championとは「Adobe Marketo Engage」ユーザーの中から優れたマーケティング施策に取り組んだ企業や人、チームを表彰する制度だ。
パネルディスカッションの冒頭、両氏がAdobe Marketo Engage Championに応募した理由を次のように語る。
「私は2016年、アドビさん主催のイベントに出席したことをきっかけに『いつか当社にもAdobe Marketo Engageを導入したい』と強く思うようになりました。それから二年後に導入。活用した成果を振り返る機会にしようと考え応募しました」(加瀬氏)
「このようなイベントに登壇される方々に対し、強い憧れを抱いていました。また、社内でAdobe Marketo Engageを使える担当者が私一人だけという理由から、孤独を感じるように。そこで、Championに応募すればマーケティングの“仲間”に出会えると考えたことが応募のきっかけです」(目黒氏)
次のディスカッションテーマは「マーケターとしてレベルアップした瞬間」だ。2018年にAdobe Marketo Engageを導入した日立製作所。加瀬氏は導入当時の状況を「マーケティングチームと営業・SEチームの間に心の距離があった」と振り返る。営業・SEの担当者から直接「マーケティングチームには成約率の高い案件のみ持ってきてもらいたい」と言われたこともあったという。
そこで、加瀬氏はまず自社の顧客データベースからターゲティング対象を抽出。顧客の課題の解決につながりそうなコンテンツを案内し、関心がありそうな人をセミナーに誘導するなど、地道な取り組みを重ねた。そうした取り組みを半年間続けた結果「マーケティングチームのおかげで商談が成立した」と言われるまでになったそうだ。「周囲からちゃんと評価されたとき、成長を感じましたね」と加瀬氏は述懐する。
商談成約率を前年比2倍に!ソニーペイメントサービスの事例
ソニーペイメントサービスの目黒氏は、リードの育成において成果を上げられた瞬間にマーケターとしてのレベルアップを実感したと話す。当時、ソニーペイメントサービスでは「集客」までをマーケティングが「商談」からはセールスが担当する一方、その間に位置する「育成」はコール部隊が電話でフォローするのみ、という状況だったという。
「コロナ特需でリード件数は増加していた一方で、コール部隊のリソース不足やテレワークによる先方担当者の不在などが原因で、獲得したリードの6割以上とその後のコミュニケーションが取れていない状態だったのです」(目黒氏)
そこでAdobe Marketo Engageを2020年に導入。顧客から見積もり依頼などがあった際、以前は電話していたところをAdobe Marketo Engageによるメールの自動送付に切り替えた。「これにより24時間365日対応が可能となり、導入から1年以内で商談の成約率が前年比率2倍を達成しました」と目黒氏は手応えを語った。
アドビが全11ものセッションを通じ、Adobe Experience Cloudの活用事例を共有した今回のイベント。マーケターやビジネスの成長は一朝一夕で達成し得ないものの、自社の課題を苦心しつつも解決するExperience Makerの話から、多くの参加者が再現性のあるノウハウを学び、仲間の存在を実感したことだろう。