ECサイトのトップページを介さないユーザーが増えている!?
次に森氏が紹介するのはInstagramとの連携ツールvisumoだ。visumoの機能を説明する前に、森氏は昨今のECを巡る消費者の購買行動について次のように持論を述べる。
「ユーザーはInstagramのタイムライン上で気になる商品を見つけたら、商品名をGoogleなどの検索エンジンで検索し、直接当該商品の商品詳細ページにランディングします。つまり、ECサイトのトップページを介さないユーザーが非常に増えているのです」(森氏)
この仮説に基づき「商品詳細ページのコンテンツを充実させることが重要」と森氏は強調する。しかし、企業のEC担当者がコンテンツを一から作るのでは、時間も労力もかかる。そこで森氏はvisumoを活用したecbeingとInstagramの連携を提案。これにより、Instagram上のユーザー投稿を商品詳細ページのコンテンツ拡充に活かせると話す。
森氏はユーザー投稿を商品詳細ページのコンテンツ強化に活用した例として、表参道などに店舗を構える雑貨店「AWESOME STORE」のECサイトを紹介。AWESOME STOREでは「ファンと一緒にサイトを作る」を目標に掲げ、ECサイトのリッチ化を図っているという。AWESOME STOREの売れ筋商品「爪とぎショッピングカート」の商品詳細ページには、実際に商品を購入したユーザーのInstagramの投稿が並んでいる。
visumo とecbeingを連携すれば、投稿の選定から投稿者への使用許諾を得るところまで、ecbeingの管理画面上で行えるという。静止画のみならず動画の投稿もECサイトに載せることが可能。「visumoの分析機能を使えば、売上につながるユーザー投稿を可視化し、把握することもできる」と森氏は補足する。
新規のCVR、リピート率とも約3倍に
次に森氏が紹介するのは、レビュー最適化ツールのReviCoだ。ecbeing自体にもレビューをECサイト上に掲載する機能を搭載してはいるものの、ReviCoでは複数の商品・サービスを横断したレビューを収集するという。これにより、レビューを投稿してくれた人にだけamazonギフト券をプレゼントする施策などが実施可能に。「レビューを効率的に集めつつ、レビュー内容の質向上も図れる」と森氏は語る。
森氏はReviCoの導入事例を二つ紹介。一つ目は、生地や毛糸、手芸材料、下着やランジェリーなどのECサイトを運営するオカダヤの事例だ。同社ではReviCoを活用したことで、レビューの投稿数が増加。導入前と比較して、新規CVRが約360%アップし、リピート率も約300%向上したという。
二つ目は、ハーブティー専門店の「enherb」が行った、レビューを広告のリッチ化に応用した事例だ。たとえば、Googleで「イチゴ ハーブティー」と検索すると、複数のハーブティーが検索結果として出てくるが、enherbの商品には他社の商品にはない星マークとレビュー数が記載されている。これがReviCoの機能によるものだという。
ReviCoを使えば、商品詳細ページにレビューを載せるのみならず、収集したレビューを「ギフトシーン」など共通するシーンやテーマごとにまとめて、独自にページを作成することもできるそうだ。森氏によると、最近はレビューの活用方法が多様化し「広告への応用」や「ECサイトのリッチ化」など、単純なレビュー掲載に留まらないアウトプットが増えてきているという。