広告のアシスト効果を可視化する
綾瀬(AbemaTV):コネクテッドテレビ広告には様々な活用方法がありますが、やはりクリエイティブの設計を緻密に考える必要はあると思います。QRコードを使った展開1つとっても、単純にクリエイティブにQRコードを入れるだけでは成果につながりにくいでしょう。
当社ではAdjustさんのお力を借りて、広告効果の高いクリエイティブについて研究しています。Adjustさんと当社それぞれが持つデータを突き合わせて、QRコードの読み取りに必要な秒数や、読み取ってもらいやすい位置などを分析しながら、正解を探っているところです。
佐々(Adjust):私からは広告計測の具体的な手法についてご紹介します。Adjustが提供しているコネクテッドテレビ広告の計測ソリューションでは、1つの管理画面でコネクテッドテレビ広告の全体的なパフォーマンスを明確に把握できるほか、コネクテッドテレビ広告がアプリのインストール数や収益、ROIなどに与える影響を理解することが可能です。
佐々(Adjust):また最近、アシスト効果がわかる機能「アシスト管理画面」もオプションとして追加しました。これにより、コネクテッドテレビ広告に限らず「あるネットワークが別のネットワークにどれだけアシストしているのか」を可視化します。たとえば、アシストあり/なし別のインストール数の推移や、チャネルごとのインストール割合などがわかります。今はコネクテッドテレビ広告に着手していない企業であっても、複数のキャンペーンを実施している場合はぜひ試していただきたいです。
野村(フジテレビジョン):地上波のテレビCMも同様の仕組みで効果測定できるようになると非常に理想的ですよね。
佐々(Adjust):ビデオリサーチさんと協力したことによって、地上波テレビCMの計測自体は既に実現しているんです。ビデオリサーチさんは「どこの地域で何時何分にCMを放送した」というデータをお持ちなので、ざっくりとした効果を測ることは可能となっています。
今後テレビデバイスを操作するリモコンが進化して、テレビデバイスとユーザーの手元にあるスマホを紐付ける機能が規格化されれば、もっと面白い仕掛けや精緻な効果測定ができるかもしれませんね。
3社はライバルであり同志
佐々(Adjust):最後に、皆様の展望をお聞かせください。
柴崎(TVer):地上波放送とTVerで同時に広告を出稿した場合のブランドリフト効果がデータとして明らかになっているため「テレビとTVer」を意識しながらサービスや広告メニューを提供していきたいです。
またTVerでは2022年4月にスタートした「TVer ID」によって、PC・スマホ・コネクテッドテレビのそれぞれでログインデータが見られるようになりました。今後はデバイスを横断した広告の検証と制御に取り組んでいく予定です。
野村(フジテレビジョン):当社では、AI技術を用いたプレイスメント「iCADs(アイキャズ)」を開発しました。iCADsは「in Contents ADs」の略称で、動画コンテンツの本編内に広告情報を付与するAVODの新しい形です。
通常のAVODでは、コンテンツの前後や途中にインストリーム広告が入る構造となっています。一方iCADsでは、動画本編に映っている看板やポスターなどに広告情報や商品情報を合成することができるんです。このiCADsとインストリーム広告を組み合わせると高い相乗効果が期待できるため、ぜひ活用を検討いただきたいです。
綾瀬(AbemaTV):プラットフォーマーとして、ユーザーのアクションを促すようなコネクテッドテレビ広告体験の創造にチャレンジしていきます。まずはAdjustさんのお力を借りながら、QRコードを活用した広告フォーマットの開発に取り組みたいです。ゆくゆくは、番組コンテンツと連動した広告フォーマットの開発にもチャレンジしていきたいと考えています。
野村(フジテレビジョン):今日登壇した3社はライバルであり、コネクテッドテレビ市場をともに拡大していく同志でもあります。各社の事例が増えれば機能の拡充にもつながるので、ぜひアプリパブリッシャーの皆様には協力いただけると幸いです。
Adjustの「アシスト管理画面」でカスタマージャーニー全体を可視化
Adjustアナリティクスソリューション「Datascape」に新たに追加された「アシスト管理画面」では、マーケティングキャンペーンのファネル全体を確認することができます。従来のラストタッチアトリビューションロジックと新しい「アシストタッチポイント」を組み合わせることで、アトリビューション情報だけでなく、コンバーションに至るまでに発生したユーザーエンゲージメントの重要な役割を把握できます。この機能についての詳細はjapan-sales@adjust.comまでお問い合わせください。