SHIBUYA109エンターテインメントが運営する若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」と、CCCMKホールディングスは、Z世代(15~24歳)の女性の消費行動について共同調査を実施した。
同調査では、ファッション・コスメ・飲料(※)といった日用品に絞り、どのような“体験”がきっかけで購入に至るか。さらにリピート消費、ブランドのファン化につながるかについて、CCCMKの保有する調査実購買データにも照らし合わせながら購買行動の実態分析を行った。また、商品・ブランドとの多様な接点を「体験」と定義し、Z世代の購買プロセスを分析した。
※調査での「飲料」にアルコール飲料は含まれていない。
購買決定プロセスは直線型から回遊型へ
デジタルネイティブであるZ世代の消費行動は、SNSなど特定の情報に偏るのではなく、様々な情報を組み合わせ、商品の認知、検討、購入といった行動に移っている。
Z世代の購買決定プロセスにおいて特徴的なのは、膨大な情報を日々受け取っている環境だからこそ回遊型になっている点だ。これまでの購買プロセスは順を追って直線的にステップを踏むものが多く提示されてきた。しかし現代においては、無意識に膨大な「体験」を同時にしているため、購入までのプロセスが複合・複雑な回遊型に変化している。
グループインタビューでも「洋服を見るため商業施設を回っている時に、そういえばこれ好きなインフルエンサーが着ていたブランドだと思い出して店舗に入る」「コスメはSNSや広告、友達の投稿などで見る機会が多いと気になる。買うかどうかはSNSや口コミアプリなどで検索して確認する」「飲料はInstagramのストーリーズで友達の投稿や、CMで見かけることもある。普段は意識していないが、店頭で「この飲料見たことある」と気づき、興味が湧く」などの意見が見られた。
膨大で多様な体験に高速で触れながら、「認知」「興味」「検索」「共有」といったフェーズをほぼ同時に、ランダムに回遊しながら経験し、購入に至っていることがわかる。
カテゴリー別、「コレ買う!」の決め方
続いて、「トライアル」に焦点を当て、購入に至るまでの体験や、それによる気持ち・行動の変化を調べた。
ファッションはSNSの世界観に合うかを重視
ファッションに関しては、「ブランド公式ショップを訪れた(24.6%)」「Instagramを見た(22.7%)」といった体験をしているZ世代が多い。
また、外出の様子を友人と写真に撮りSNSに投稿することも増えたことで、「遊ぶ人や場所に合わせて選ぶ」という声も多く、自分のSNSアカウントの世界観にファッションが合致するかどうかも洋服を購入する基準になっている。
実際にインタビューでは、「お店や洋服の世界観が自分に合っていると、そのブランドのことが気になる」などといった意見が聞かれ、ブランドの世界観を理解するために、SNSでどのような写真が撮影されているかをチェックしている。
さらにリアル店舗にて試着や店員の話から着るイメージをより明確にし、商品購入に至っており、「店員と話すと新しいコーディネートの提案や、自分では気づかなかったその商品やブランドの良さを知ることができる」といった声も聞かれた。
コスメは口コミを中心に入念な情報収集
購入前の情報収集が最も熱心に行われていたのがコスメカテゴリーだ。
「Instagram(35.4%)」や「動画配信サービス(26.4%)」、「口コミサイト・アプリ(19.4%)」などインターネットメディアを積極的に活用して、口コミをチェックしている。インタビューでも普段から情報収集しているという声が多数見られた。
メイクの発色を確認や、パーソナルカラーが同じ人の意見も参考にするなど各ツールの特徴を理解しながら必要な情報を収集しているのが特徴的だ。
飲料は「調べず実際に店舗での体験」が多数
購入頻度は高いものの、「調べることは少ない」という声が飲料は多い。実際に定量調査でも「量販店を訪れた(50.0%)」体験が圧倒的多数だった。インタビューでも、「店頭で買うものをローテーションで選ぶ」といった意見が多く聞かれた。
商品を選ぶ基準としては、SNSで見たことがあるパッケージや、味のイメージができておいしそうと確信できるもの、友達と話のネタになりそうなものなどの意見が見られる。
【調査方法】
T会員対象 WEB調査
期間:2022年8月19日~2022年8月25日
機関:CCCMKホールディングス Tアンケート(T会員へのWEB調査)
対象:全国/女性/15~24歳
設計:SHIBUYA109 lab./CCCMKホールディングス
サンプル数:2,019
SHIBUYA109 lab.による定性調査(デプスインタビュー)
対象者条件:女子大学生
人数:6名
その他過去定性調査をもとに考察
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