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Shortsの収益化でクリエイター囲い込みを狙うYouTube 短編動画をめぐる競争のゆくえ

広告収益がクリエイターに分配される仕組み

 次に、YouTube Shorts収益化計画発表におけるふたつめのポイント、広告収益がクリエイターに分配される仕組みについて見ていきたい。

 YouTubeのShortsではない通常動画における広告収益は、YouTubeが45%、クリエイターが55%受け取る仕組みとなっている。通常1本の動画に対し、動画の再生前、再生中、再生後に複数の広告が配信され、その広告収益をYouTubeとクリエイターがシェアする形だ。

 一方、Shortsでは縦にフィードが流れるデザインでその仕組みは異なる。複数のShorts動画がフィードされた後に広告動画が入り、表示された複数のShorts動画でその広告収益を分配する形となる。

 比率も通常動画とは異なり、YouTubeが55%、クリエイター側が45%という比率だ。複数のクリエイターではこの45%がさらに分割されることになる。YouTubeの発表では、これ以上の詳細情報は公開されていないが、仮に3つの異なるShorts動画にひとつの広告動画が流れた場合、45%の3分割となり、15%がクリエイターの取り分になる。

 視聴回数ベースで考えると収益率は通常動画より低くなることが想定されるが、Shorts動画は視聴回数が伸びやすい傾向にあり、視聴回数の多さで収益率の低さを相殺することも不可能ではなく、クリエイターの恩恵となることは間違いない。

 YouTubeは、通常動画で導入されている投げ銭システム「スーパーサンクス」をShortsにも適用する方向で開発を進めており、広告以外でも収益を得られる環境が整いつつある状況だ。

YouTubeのShorts収益化と成長課題に直面するTikTok

 破竹の勢いで拡大してきたTikTokだが、YouTubeのShorts収益化が開始されれば、さらに難しい状況に追い込まれるかもしれない。

 eMarketerによる2022年4月時点のデータによると、TikTokのユーザー数の伸び率は、2019年に前年比89.1%、2020年に87.6%であったが、2022年には8.2%まで下がる見込みだ。さらに、2023年に3.8%、2024年に3.2%、2025年に2.6%と成長は続けるものの、その伸び率は頭打ちとなることが予想されている。

 またeMarketerの2022年2月時点のデータでは、TikTokの1日あたりの平均視聴時間は、2021年の40分をピークに、2022年に38.3分、2023年に37.1分と下落することが予想されている。一方、YouTubeの平均視聴時間は2021年に45分、2022年に45.6分、2023年に46分と増加が続くと見込まれている。

 TikTokでは、ファンドを通じて収益が分配される仕組みが導入されているが、報酬の少なさに対する批判の声がクリエイターらからあがっている。YouTubeのShorts収益化がうまくいけば、TikTokからクリエイターが流出することも十分に起こり得るだろう。短編動画をめぐる争い、今後の展開から目が離せない。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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2022/11/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/40549

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