コロナ禍で注力したYouTubeを使ったスポンサーアクティベーションを
平地:今回は、Japan Sports Activation Awardsの最優秀賞を受賞したサンフレッチェ広島と上万糧食製粉所のスポンサーアクティベーションについてうかがいます。まず、今回受賞したスポンサーアクティベーションの概要を教えてください。
浜田:今回はYouTube動画に対するスポンサーシップを上万糧食製粉所様に実施いただきました。上万糧食製粉所様の代表的商品である青きな粉が広島の商品であること、そして新商品であるWA-PANKOのアレルギー対応や栄養価についてPRするために、春からプロになるユース選手の1日に密着する動画の中で両商品の紹介をさりげなく織り交ぜていきました。
サンフレッチェ広島は、「日本一の育成型クラブ」を目指しJリーグクラブのユースで初めて全寮制を取り入れており、そして寮での食事にも力を入れています。その特徴が、青きな粉とWA-PANKOをPRする上でとても相性が良いのではないかと考えたのです。
また、私たちはコロナ禍でYouTubeの動画配信に注力しており、スポンサーアクティベーションにも使っていけるのではと思い、上万糧食製粉所様にご提案し、実施いただきました。
その結果、ユース世代に関心の高い18歳以下の方だけでなく、食育に関心のある方や部活動をしているお子さんがいる親世代にまで見てもらえる動画となり、再生回数も100万回を突破しました。
また、動画の中で出てくる青きな粉を使ったおにぎりが好評で、スタジアムでの販売につながるなど、大きな取り組みとなっていきました。
認知度が高すぎるからこそ伝えたかった「広島生まれ」
平地:今回上万糧食製粉所様がスポンサーアクティベーション実施に至ったのには、どのような背景・課題があったのでしょうか。
栗栖:WA-PANKOと青きな粉それぞれに異なる課題がありました。WA-PANKOは、小麦やグルテン、食品添加物、ショートニングを使っておらず、様々な方が安心して食すことのできるパン粉なのですが、まだ新しい商品のため、PRが十分にできていないという課題がありました。
一方青きな粉は、我々が消費者向けに提供する商品の中でも圧倒的な認知を誇っており、広島では「きな粉は緑色(青きな粉の色)」と思っているくらい誰もが知る商品です。しかし、広島市内ならほとんどのお店で売っているために、上万糧食製粉所が広島の企業として認知されていない課題がありました。
平地:有名すぎて全国的ブランドだと勘違いしていたわけですね。
栗栖:おっしゃる通りです。そこで、広島生まれの企業であることを世に伝えていくために、広島を代表するスポーツクラブであるサンフレッチェ広島とコラボレーションしたいと考えました。
また、青きな粉のコアユーザーの高齢化が進んでいることも課題視していました。そのため、YouTubeで若年層やその親御さんに届く施策ができたらと考えました。
平地:今回受賞の一つの理由として「ユースというアセットを活用したスポンサーアクティベーションで成果を上げた点」があるのですが、一般的にはプロクラブの選手などを起用したスポンサーアクティベーションが多い中で、なぜユースの活用を決断されたのでしょうか。