A/Bテストで広告運用プロセスを改善し収益40%増
MZ:AppLovinではLINE ポイントゲームの広告マネタイズを最大化するにあたり、具体的にどのような支援をされたのでしょうか。
高木(AppLovin):広告マネタイズと集客、2つの切り口から支援させていただきました。まず広告マネタイズに関しては、メディエーションツールの「MAX」を導入いただきました。メディエーションツールとは、各アプリに実装した複数のアドネットワークを1つのアプリ上で管理し、広告の出し入れをするためのツールです。
高木(AppLovin):MAXには収益最大化につながる様々な機能が実装されていますが、特に優れているのがレポート機能です。アプリがインストールされた日を基準に、その日に獲得したユーザーあたりの広告収益と継続率、広告表示回数、プレイ時間などの平均値の推移をレポーティングします。LINE ポイントゲームでは広告運用の改善やユーザーの離脱ポイントの特定などに活用いただいています。
また、MAXにはA/Bテスト機能もあります。この機能を活用し、広告収益最大化のためにウォーターフォール(※)の最適化も支援しています。その結果、収益を約40%上げることができました。
※アドサーバー内において、媒体社側が事前に決めておいたCPM価格の高い順から広告リクエストを行い、最低落札価格以上の入札の中で一番収益性が高い広告を決定し表示する方式
MZ:次に、集客の面ではどのような支援をされたのですか?
高木(AppLovin):集客面では広告プラットフォーム「AppDiscovery(アップディスカバリー)」を導入いただき、新規ユーザー獲得のKPI指標に合わせて広告配信の最適化を支援しました。
AppDiscoveryの機能の中でも費用対効果がひときわ高いのが「Ad ROASキャンペーン」というメニューです。特徴は、集客の広告費に対する収益割合を指す"Ad ROAS"の目標値に基づいてユーザーレベルで最適化をする点にあります。ROAS目標の達成に向け、MAXを活用して集めたユーザーの広告収益データに基づきCPI入札を自動調整します。これにより、DAU(※)のうち収益額の平均が比較的高いユーザーを中長期で効率的に獲得できます。LINE ポイントゲームでは、MAX導入直後からほぼすべてのタイトルでAd ROASキャンペーンを継続利用いただいています。
※Daily Active Usersの略。自社のWebサイトやサービスの訪問者、利用者数を指す
プレイアブル広告で獲得ボリューム1.7倍
MZ:AppLovinでは、広告運用のほかにもクリエイティブの制作支援を行っていると伺いました。
高木(AppLovin):当社には、インハウスのクリエイティブスタジオ「SparkLabs」があります。SparkLabsを通じて、ユーザーに広告内でゲーム体験を提供できる「プレイアブル広告」をはじめとする広告クリエイティブを、全体構成や広告内の文言、エフェクトの追加など、膨大なデータと経験による知見に基づいて制作しています。
たとえば、LINE ポイントゲームの1つ「LINE:マージジェリー」のプレイアブル広告をSparkLabsで制作しました。制作に際しては、LINE ポイントゲームの最大の魅力である「ゲームを楽しみながらLINEポイントをゲットできる点」をしっかり訴求できるよう意識し、LINE様と協議しながら細かい部分の変更を重ねました。具体的には、同じジェリーをマージさせて消すことに成功すると、ジェリーが上のゲージバーに吸収されるアニメーションを追加しました。これにより、ユーザーはポイントが徐々に溜まっていることを一目で認識できます。
MZ:AppLovinの支援により、マーケティングの面でどのような成果が得られましたか。
布施(LINE):まず、SparkLabsの皆さんに作成いただいたプレイアブル広告は、非常に高いパフォーマンスを出せています。ユーザー獲得が芳しくなかったタイトルでプレイアブル広告を採用してみたところ、獲得ボリュームは1.7倍にV字回復しました。現在は他のタイトルへの導入も進めています。
布施(LINE):また、プレイアブル広告以外のところでも、他の広告プラットフォーマーさんよりもAppLovinさんを介した方がボリューム・パフォーマンスともに圧倒的に高い成果を出せています。実は、LINE ポイントゲーム事業を開始した直後は他のプラットフォームにも並行して広告出稿していた時期があったのですが、AppLovinさん経由で獲得できた新規ユーザー数は他のプラットフォームの約80倍でした。