アルファ世代とは
アルファ世代の生活は、テクノロジーを中心に展開していると言われ、2歳までにタッチスクリーンをマスターし、スマートフォンの様々なアプリケーションを容易に操作できることがわかっている (Amrit Kumar Jha, 2020) 。
また、彼らは、テクノロジーやソーシャルメディアが世界的に浸透した中で生まれ育ち、環境問題や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの世界共通の課題に直面しているため、他世代に比べ同世代間の国による差は小さくなるかもしれない。
Z世代もアルファ世代もデジタルネイティブと言われるが、アルファ世代は生まれた時にはすでにインターネットが広く浸透し、テレビ、パソコン、スマートフォンのようなデジタル機器が身近にあり、Z世代よりも物質的にも技術的にも恵まれていると言われている。加えて、幼少期に新型コロナウイルスのパンデミックを経験した世代となる。
私たちは未来を牽引する生活者の1つの切り口として、現在の日本のアルファ世代を調査対象として研究を進めている。
アルファ世代と情報の関わり方
現在のアルファ世代は、普段使用できるデバイスの種類の合計がZ世代と差がなく、テレビ以外にもタブレットやゲーム機の利用率は、他世代に比べてアルファ世代が最も高かった。このことからアルファ世代は、幼少期からマルチデバイスを使える環境下にいることがわかった(図表1)。
これらのデバイスを何に利用しているか聴取したところ、テレビは、いまだテレビ番組の視聴に利用されている比率が高い一方で、アルファ世代は半数以上が無料動画視聴サービスに、4割強がゲームに利用していた(図表2)。また、アルファ世代のゲーム機利用者のうちの34%がゲーム機で無料動画視聴サービスを利用していた。
複数デバイスが利用できる環境にあることで、テレビではテレビ番組、スマートフォンでは動画、SNS、ネットサーフィンといったデバイスごとの利用方法の常識がアルファ世代では変化していることが明らかになった。このような変化に応じ、様々な情報経路を想定した情報提供の仕方を考える必要性がある。