※本記事は、2023年2月25日刊行の『MarkeZine』(雑誌)86号に掲載したものです。
【特集】消費者インサイトから探る「創造・成長のカギ」
─ 承認欲求vs周りの目、友情の築き直し、チル、パーソナライズ Z世代のインサイトにまつわる4つのカギ
─ サントリーがMZ世代をターゲットに仕掛ける「ビアボール」、商品開発の裏側を聞く
─ 「きれいになりたい」という思いは皆同じ 男性用コスメ「UNLICS」が捉えるZ世代のインサイト
─ 保険×ゲーム実況で、Z世代就活生の心をつかむ 東京海上日動の 「モンハン保険」
─ Tinderの利用動向に見る、Z世代の恋愛・出会いの価値観(本記事)
─ Z世代のニーズを捉え、マリオットホテルが提案する新しいホテル体験
─ Z世代が好む「くすみ系カラー」を因数分解すると?Z世代の“買いたい”気持ちを作るカラーパレットを公開
─ 進むデジタル化、リタイアなき社会での生き方…変化に直面するシニアのインサイトを探る
─ ユーザーが求める「美容・健康のための食」と「地球の健康」は地続き。ミツカン「ZENB」が考える未来
─ コロナ禍でも成長を続けた一休.comに聞く事業概況/ご褒美消費を狙う時のポイントは?
Z世代の間で広がる「シチュエーションシップ」という新たな関係性
──Tinderがどのようなユーザーに、どのように使われているのか、アプリの概況を教えてください。
Tinderは2012年にアメリカで誕生して以来、累計で5億3,000万以上ダウンロード(2023年1月時点)されている世界最大級のマッチングアプリです。世界190ヵ国以上で、日常生活における身近なコミュニティを超えた多様な出会いや新しいつながりを提供しています。
Tinderの利用者は18〜25歳、いわゆるZ世代が50%以上を占めており、恋人や友人探しのほか様々な目的で利用されています。
彼らは、今、相手の表面的な要素だけでなく、その人の内面や価値観に惹かれる傾向にあります。また、異性だから好きになるのではなく、「好きになった人がたまたま異性だった」「同性を好きになることもあれば、異性を好きになることもある」など、“オーセンティックであること”に比重を置いている上に、性別やセクシュアリティ、デートの在り方に対して非常に流動的な考え方を持っています。実際にTinder独自の調査『Year in Swipe 2022』によると、Tinder利用者の恋愛傾向として、遊び目的や従来の恋愛関係とは違う「シチュエーションシップ(友達以上恋人未満の関係や、付き合っていてもそれを公にしない関係など)」と呼ばれるカジュアルな関係性が広がりを見せていることがわかっています。Tinderでの出会いは、人によって様々なのです。