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【特集】消費者インサイトから探る「創造・成長のカギ」

「きれいになりたい」という思いは皆同じ 男性用コスメ「UNLICS」が捉えるZ世代のインサイト

 2022年12月にKao Beauty Brandsから誕生した「UNLICS(アンリクス)」は、Z世代の男性をターゲットにした化粧品ブランド。このブランドが生まれたきっかけは、若手男性社員の「なぜ男性は堂々と化粧直しができないのか」という疑問からだったという。古い慣習にとらわれず、多様性やジェンダーレスが当たり前となっているZ世代をターゲットとしたこの新コスメブランドを通じて、Z世代市場の特性を紐解いていく。

※本記事は、2023年2月25日刊行の『MarkeZine』(雑誌)86号に掲載したものです。

美容に対する男性の本音から誕生したブランド

──花王さんがZ世代の男性向けにリリースした「UNLICS」はどのようなブランドなのでしょうか?

 UNLICSは「無限の好奇心」を意味する「Unlimited Curiosity」という英単語から文字を拾って作った造語です。「美への好奇心を無限にかきたてていこう」「好奇心の赴くままに美を解放していこう」などの意味を込めました。この思いを軸に、男性のスキンケアからベースメイクまでトータルでサポートしていくブランドを目指しています。

花王株式会社 化粧品事業部門 リージョナルブランドビジネスグループ UNLICS PR担当 岩田敦紀(いわた・あつき)氏

花王株式会社 化粧品事業部門 リージョナルブランドビジネスグループ
UNLICS PR担当 岩田敦紀(いわた・あつき)氏 

1995年神奈川県生まれ。自身もメイクをする経験から2020年カネボウ化粧品に入社。2021年から花王に出向。メディア担当としてオンライン・オフライン関わらず、幅広くブランドコミュニケーションに携わる。2022年5月からUNLICS PR担当を兼務。発表会運営やリリース配信などを担当し、ブランドの立ち上げを推進。現在もSNSやメディアを通して、UNLICSの魅力を社外に発信する業務を担う。

──男性向けコスメは以前からありましたが、今回のUNLICSのようにベースメイク製品まで提供しているブランドは珍しいという印象があります。

 男性用化粧品は「これ1つで大丈夫」というオールインワン型の製品が主流で、実際愛用者の方は多数いらっしゃいます。それに対してUNLICSがターゲットとするのは、美しくなることを目指し、自分の肌に合う製品を一品ずつ使っていきたいと思っている方です。

 これまで男性向け化粧品はオールインワン商品や爽快感を重視したものが多く、なかなか「自分に合ったものを選びたい」というニーズにお応えしきれていない状況だったように思います。女性向け化粧品から自分に合ったものを選ぶ男性も多くいますが、男性と女性では肌質がそもそも違うので「男性の肌特性に合わせて設計されていて、かつ肌悩みに合わせて選べる製品」はあまりありませんでした。

 たとえば男性の肌と女性の肌は、水分量と肌色のトーンがかなり異なっています。20代の男女の肌を比較すると、男性のほうが「水分量が少ない肌」になります。肌色も、男性は女性に比べて赤っぽく暗いトーンが多いです。

 このように「肌悩みに応じて選べる」「男性の肌質に合った設計になっている」という2つを叶えられるのがUNLICSの大きな特徴で、他のブランドにはない価値だと考えています。

──UNLICSは20代の若手が中心となって開発されたブランドだとうかがっていますが、誕生の経緯を教えてください。

 花王では化粧品ブランドの事業体としてKao Beauty Brandsを展開していますが、実はこれまでメイクまで提供する男性化粧品ブランドはありませんでした。きっかけとなったのは、花王の男性社員のリアルな声です。

「僕にとってメイクとは、髪型や身だしなみを整えるのと同じことなのに、『なぜ男性なのにメイクをしているのか』という視線で見られることがある。男性は堂々と化粧直しできないのか」

「なぜ多くの男性はスキンケアやメイクに時間をかけないのか」

 女性と同じようにきれいに見せたい、メイクしたいという思いを抱えている男性もいらっしゃいます。しかし残念ながら、内に秘めた思いを堂々とオープンにできない社会的背景はいまだ存在しているのも事実です。今回、この疑問を上げた男性社員もプロジェクトメンバーとして参加しており、Kao Beauty Brandsにおいて今までなかった価値を生み出せると思っています。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/04/07 14:55 https://markezine.jp/article/detail/41369

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