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【特集】消費者インサイトから探る「創造・成長のカギ」

「きれいになりたい」という思いは皆同じ 男性用コスメ「UNLICS」が捉えるZ世代のインサイト

「男性のメイク」に対する世代間の感覚の違い

──Z世代の男性向け化粧品市場は成長しているのでしょうか?

 男性向け化粧品市場の推移を見ると、2017年から2021年までの5年間で平均で年8%の成長を見せています。Z世代に限らず、全年代を通して伸びているんですね。最も伸長率が大きいのが10代から20代の若年層で、そもそも化粧品に興味を持ってスキンケアやメイクに取り組む人が増えているという特徴があります。さらに一歩進んで「自分に合ったものを自分で選びたい」というインサイトも他の年代より高いと思います。

──全体で伸びているんですね。

 そうですね。少し年代が上の男性も、オンライン会議で自分の顔を見るようになってメイクを始めたという方もいらっしゃいますし、メイクやスキンケアに関心がある男性が徐々に増えてきて嬉しいです。

──社内でこのUNLICSのブランドのコンセプトや目的はスムーズに理解されたのでしょうか?

 やはりメイクをしない男性の方は「わざわざメイクしなくても」という思いがあるかもしれません。ただUNLICSは、そもそも花王の他のブランドとコンセプトがまったく異なるので、それを踏まえた上で「自分はメイクをしないけれど、そういう利用者のインサイトがある」ということはご理解いただいています。

UNLICS氏

──男性のスキンケアやメイクに関し、世代間で捉え方に違いが生じるのはなぜだとお考えですか?

 今はInstagramやTikTokなど自分自身を外に発信する手段や機会があるので、多かれ少なかれ自己承認欲求を持つ人が増えているのではないかと思います。芸能人ではないけれど、誰でもインフルエンサーになれる時代です。

 インフルエンサーは、芸能人と比べると自分にとって身近な存在ですよね。そういう人たちが気軽にメイクをしているのを見ると、自分もそれに近づきたい、きれいになりたいという思いが出てくるのだと思います。

 ニキビの赤味といった肌悩みを消すだけでなく、メイクは自己表現できる手段です。より自分らしい顔にしたい、ファッションと組み合わせてその日の気分に合わせてメイクを変えてみる、そんな楽しみ方があります。

──ターゲットとしているZ世代男性の消費者像のインサイトについて詳しく教えてください。

 今回ターゲットを考えるにあたり、男性像を何パターンかグルーピングしました。美容にあまり興味がない層、ダンディ系やクール系でかっこよく、美意識は高いけれど力強い男性の層、いろいろなパターンがありますが、今回ターゲットとしているのは「美意識が高く」「やわらかく中性的な雰囲気を持っている男子」という層です。「かっこいい」や「イケメン」よりも、どちらかと言えば「きれいだね」や「美しいね」と言われるほうが嬉しい方たちです。

 また、ESG設計もポイントの一つです。若い世代は環境配慮など社会課題への意識も高いので、私たちもそのインサイトを踏まえて開発しました。たとえば化粧品に外箱を付けず、簡易包装紙で紙の使用量を減らしています。

──ブランドのリリース後、市場からの反響はいかがですか?

 目玉であるカラーウェアの4色展開に興味を持たれた声が多いですね。「なりたい自分に変われそうで嬉しい」といった反応や、女性の方からも「こんな鮮やかなブルーないよね」という声をいただいています。

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インフルエンサーを通じたファンコミュニケーションが要

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/04/07 14:55 https://markezine.jp/article/detail/41369

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