急成長を続けるBrazeの提供価値とは
「Braze パートナーサミット」は同社代表の菊地氏のスピーチから始まった。日本でサービスを開始した2020年11月からの2年間を振り返るとともに、今後の方針について語る。
Brazeは日本国内のBtoCを中心に多彩な顧客を持つ数多くの企業に採用され、現在顧客数は50社を超える。成長率も2021年は前年比500%以上、2022年も前年比300%以上と堅調だ。Brazeにとって日本市場は成長率No.1であり、今後も注力するエリアだという。
Brazeの目覚ましい成長に欠かせない存在が、増え続けるパートナー企業だ。Brazeのパートナーにはソリューションパートナーとテクノロジーパートナーの2軸がある。前者はシステムの移行や導入から、戦略的カスタマーエンゲージメントの継続サポートまで、END TO ENDで支援する。後者は顧客が利用中のテクノロジーとBrazeをシームレスに連携することで、カスタマーエクスペリエンス創出を支援する。
菊地氏は続いて、日本におけるマーケティングトランスフォーメーションの遅れを指摘し、日本のマーケティングを変えるマーケティングトランスフォーメーションの推進は今後の日本市場における変革の鍵になると語る。
では、Brazeは一体どのような価値を提供し、マーケティングを変えていくのか。菊地氏はその価値を「マーケティングにスピードを。テクノロジーをシンプルに、使いやすく」という言葉で表現する。
「たとえばSQLやJavaScriptを知らなければ、ソリューションを使えない。そのような状態は改善すべきだと思っています。Brazeは、マーケターの方々が直感的に触って、自分たちが思いつく施策を思うままに実行できる、そのような基盤を、世界を提供していきたいと考えています」(菊地氏)
パートナーとのアライアンスとBrazeの組み合わせで、日本のマーケティングを変えるレバーのような存在になれる。菊地氏は改めて決意を述べ「#ニッポンのマーケティングを変えよう Start Anywhere. Go Everywhere.」をスローガンとして掲げた。
マーケティング変革を共進するパートナー
前述の通り、Brazeにとってパートナーとの連携が事業戦略の軸だ。では、Brazeのパートナーはどのような企業なのか。
同イベントでは、Brazeの導入や活用支援、カスタマーサクセス、マーケティングなどの領域で、高いビジネス貢献と顧客のマーケティング変革を支援したパートナーを発表する「Braze Torchie Awards 2023」を日本で初開催した。ここからは、今後のマーケティング変革の鍵とも言える、受賞企業を紹介していきたい。
生活者発想を軸にビジネスを前進する博報堂
共創活動を通じ革新的な成果を実現したパートナーに贈られる「Partner of the Year」は博報堂が受賞した。博報堂は同社の生活者発想によるコンサルティングサービスと、Brazeの最先端テクノロジーとを掛け合わせることで、生活者のニーズを捉えたCRMの実現を支援している。
また、本年、Brazeと共同でCCRM実態調査を共同で実施し、市場変化によってブランドと顧客とのコミュニケーションは転換期を迎えていること、カスタマーエンゲージメントの可能性を日本市場に広く訴求した。この取り組みは「#ニッポンのマーケティングを変えよう」というBrazeの想いを具現化する上で重要な役割を果たした。
他にも、数多くのプロフェッショナル人材によるクリエイティブな発想と提案、そしてシステム導入や稼働に至るまで、Brazeの幅広いビジネスに大きく貢献し、カスタマーエンゲージメント市場の関係者に大きな影響をもたらす活動をしている点が評価された。
「まだまだ貢献できる部分はたくさんあると思います。2023年はマーケティング活動やセールス活動、パートナーシップの拡大を含め、市場の活性化に向け、より貢献していきたいです」(大谷氏)
新たな顧客体験の提案で変化をもたらすリロクラブ
共同の営業活動を通じ、大きな成果を出した企業に送られる「Sales of the Year」を受賞したリロクラブは、自社事業においてもBrazeと協業している。
福利厚生のアウトソーシングサービを行うリロクラブは、同社が保有するサービスコンテンツデータベースと、Brazeのプラットフォームを融合させ、法人顧客(企業)のアプリなど各チャネルへ提供するコンテンツを増強。ダウンロード促進やアクティブ率の改善、休眠顧客の掘り起こしを実施した。
このような取り組みにより、リロクラブは営業活動において、昨年度最大の案件を創出したという。さらに、リロクラブ法人顧客ネットワークにおいて、顧客起点のマーケティングプロセスへの変革を主導し、今までにない顧客体験を提案。ユーザーの満足度やエンゲージメントの向上につなげている。
「カスタマーサクセスにフォーカスしているパートナー様が多い中、ビジネスを広げていく取り組みに強みを出せる当社は、他とは少し違った存在だと自負しています。引き続き、BrazeとWin-Winの関係を構築しながら、新しい世界観を一緒に作っていきたいと思います」(池田氏)
SCデジタルメディアはスピーディーな体制構築でDX支援を強化
協業活動の早期立ち上げを評価する「Rising Star of the Year」を受賞したSCデジタルメディアは、企業のマーケティングDXを支援する際にBrazeを活用している。
住友商事グループの同社は、グループ社内外のDX推進を支援する。Brazeを利用することで、リアルタイムで顧客1人1人に寄り添ったダイナミックなマーケティングを実現するプラットフォームの構築を行っている。
特筆すべきは2022年8月にBrazeのパートナーシップに参画後、急速な人材育成とBrazeに特化したサービス提供プログラムを企画し、提供までをわずか1年足らずで行った点だ。これにより、既に多くのカスタマーサクセスを支援している。このスピードが今回評価された。
「Brazeのツールと、当社の人材・スキルを組み合わせることで、最高の顧客体験を提供できると考えています。また、Brazeは商品力が優れているのはもちろん、コミュニケーション体制などのパイプラインもしっかり整えられているので、パートナーである私たちも、クライアント様に対して積極的に提案できると感じています」(柿木氏)
ナレッジの共有でBraze活用を加速させるクラスメソッド
優れたテクノロジーサービスの提供と発信を行うパートナーに贈られる「Tech of the Year」はクラスメソッドが受賞した。
同社はAWSをはじめ、データ分析やモバイル、AI/機械学習等の分野で技術支援を行う。クラスメソッドの優れたエンジニアリングスキルにはBrazeと周辺ソリューションとのスムーズな連携を実現させている。たとえば、顧客行動の即時データベース反映を可能にし、適切なチャネルでのカスタマーエンゲージメントの強化と継続的なビジネスの成長に貢献している。
さらに同社が運営するエンジニア向けサイト「Developers IO」では、Brazeに関するナレッジを積極的に発信。その姿勢が評価された。あらゆるデータソースをシームレスに疎結合するBrazeにとって、クラスメソッドの持つ技術力と発信力は大きな存在となっている。
「当社では、様々な技術の知見を積極的に公開しています。Brazeを広く普及していく中で、ナレッジのシェアは市場活性化と弊社のブランド価値向上につながると考えています。今後もBrazeの機能にどんどん触れて、得た知見を皆さまに見える形で届けていきたいです」(クラスメソッド・佐々木氏)
国内立ち上げ時からBraze活用を進めるDearOne
Brazeの導入・活用の支援促進を評価する「Operation of the Year」を受賞したDearOneは、同社が持つアプリ開発支援などのノウハウと、Brazeのテクノロジーを連携させることで、人的・開発リソースを抑えたスピーディーな顧客エンゲージメントプラットフォームの構築を支援している。
同社はBrazeの国内事業立ち上げ時から、Brazeを自社のグロースマーケティング事業を支えるツールとして活用してきた。また、Brazeのカスタマーサクセスチームとの積極的な連携を通じて、様々なケースのプロジェクトに柔軟に対応、Brazeのエコシステムの立ち上げに大きく寄与している。
「当社では海外製品の日本進出もお手伝いしています。良い製品だけれども、使いこなせないから導入できないというケースは少なくありません。Brazeという素晴らしい製品を活用される方々を増やせたことは、私たちにとっても非常に嬉しいです」(河野氏)
Brazeエコシステムが日本を変える
ユーザー会では他にも、Braze製品エコシステム戦略の発表や、運用型TVCMノバセルとの連携紹介、パートナー企業によるパネルディスカッションが用意され、今後の展開を期待させる催しとなった。
「1年前にパートナー企業様へ向けたイベントを始めたときは、今の3分の1に満たない参加人数でした。本日、多くの方々にお集まりいただき、アワードを開催できるまでに関係性を築き上げられたことを誇りに思います。2023年度も皆様と一緒に日本のマーケティングを変え、そして日本のビジネスを拡大していきたいと思います」菊地氏はそう語り、イベントを締め括る。
「ニッポンのマーケティングを変えよう」を掲げるBrazeとパートナーたちの今後の動向に注目したい。
受賞企業の詳しい紹介は『Braze パートナーサミットにて「Braze Torchie Awards 2023」受賞企業を発表』からご覧いただけます。
また、Brazeは「2023年に押さえておくべき7つの最新トレンド」を発表。変化するカスタマーエンゲージメントのこれからを予測し、新しいマーケティング施策の重要性と考え方を考察するホワイトペーパーを作成しました。合わせてご覧ください!
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