広告のアイデア、クリエイティブの新陳代謝を促すための工夫
MZ:SHElikesでInstagram広告を展開してきて、掴んだコツなどはありますか?
大原:SHElikesのInstagram広告のクリエイティブをここ数年ずっと担当していますが、「3週間前まですごく好調だったクリエイティブが急に配信が伸びなくなった」とか「好調だと思っていたデザインや見せ方が、なぜか反応されなくなってしまった」というようなことが多々あります。これが以前よりも速いスパンで起きているので、PDCAを回す量と質をどれだけ高められるかが一番のポイントだと思っています。
とはいえ、どうしても数少ないメンバーで運用していると、出てくるアイデアの数は限られてきます。ですので、常に新しいアイデアが出てくるような工夫は必要だと思います。弊社の場合は、SHElikesでマーケティングやデザインを学んだ方にチームに入っていただき、広告クリエイティブのデザインや企画案を“仕事”として依頼し、広告運用の新陳代謝を促しています。SHElikesを実際に体験して下さった方のリアルな声を広げることにも繋がっています。
MZ:受講者を巻き込んで広告クリエイティブを制作しているのですね。その際、ブランドとして定められている広告クリエイティブの軸などはありますか?
大原:Instagram広告に限らず、SHElikes関連のクリエイティブにおいて総じて大事にするべきポイントは、チームで共有できていると思います。そのポイントとは、ひとことで言うと「共感とワクワク」です。人生やキャリアの悩みに対する共感や、「SHElikesに入ることでこんな未来を描けるのかもしれない!」というワクワクを広告で醸成することがポイントです。

失敗から学んだ、インフルエンサー施策で大切なこと
MZ:SHElikesでは、インフルエンサーを起用した施策も行われています。インフルエンサーと協業する際に意識していることはありますか?
大原:ここに関しては、たくさん失敗もしてきました。色々なトライアンドエラーを経て学んだのは、インフルエンサーさんのフォロワー数や影響力よりも、「SHElikesを本当に受講したいと思って下さっているかどうか」「SHElikesの世界観に共感して下さるか」が一番重要だということです。
やはり、インフルエンサーさんがSHElikesを受講したいと本当に思っていなければ、その気持ちはインフルエンサーのファンの皆さんにも伝わってしまいます。また、「SHElikesを使って感じた素直な気持ち」を発信していただくのが、一番広告としても成果につながりますし、インフルエンサーにとっても、そのファンのみなさんにとってもウィンウィンであると思います。ですので、最近は実際にSHElikesを受講されている方の中から、広告にも繋がるような声を探す形にしています。
大森:「こんな声が欲しい」「こんなことを言ってほしい」という広告的な希望はもちろんあるのですが、広告の先にいるユーザーはやはりすぐ気づかれるんですよね。我々のサービスの魅力を伝えることが最大の目的ですので、インフルエンサーさんの声をいじらずに目的を果たそうとなると、「サービスを理解し、好んで使って下さっている方」という条件が重要であると思います。
女性向けのキャリア支援サービスの代表格を目指して
MZ:最後に、今後の展望をそれぞれお聞かせください。
大原:冒頭の話にもあがりましたが、SHEは「熱狂コミュニティ」をサービスの大きな価値として置いています。新たなスキルを身に着けて、自分らしいキャリアや働き方を実現していく時、やはりこの「コミュニティ」というのが非常に大きな価値であると思うのです。そして、この「コミュニティ」はSHElikesを利用する受講生さん一人一人の集まりでできています。私は、自ら一歩踏み出し、新しい自分に変化していく受講生さんのことが大好きで、心から尊敬しています。
ですから、私がマーケティングで実現したいのは「SHElikesがいかにすごいか」を伝えるのではなく、「SHElikesの受講生さんがどれだけかっこよくて魅力的なのか」を伝えること。それを通して、体感を持ってSHElikesの魅力を知ってほしいと思っています。
大森:SHE全体としては、今後学べるコースを拡充していきますし、学ぶと働くを循環できるようなサービスもどんどん充実させていきたいと思っています。女性のキャリアに関する解決策を提供するサービスの代表格としてSHElikesを育てていきたいですね。
個人的な目標で言うと、働く時間は人生の中でも大半を占めますが、多くの方にとっては苦痛まではいかなくとも“ネガ”に近いものになっていると感じています。「こう働かなければ」ではなく「自分がこうしたいから、こう働くのだ」というように、仕事への向き合い方をもっと前向きな方向へ変えていければ、その人自身にも、そして日本全体にも良い影響がどんどん電波していくと思うのです。最終的には、日本の国力を上げるというところにまで、貢献できればと思っています。