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1ヵ月半でチャンネル登録者数10万人増!PIVOTに学ぶYouTubeレコメンド攻略法&分析Tips

見えない数値「エンゲージメント」

――チャンネル登録者のエンゲージメントとは何でしょうか。

 チャンネル登録者が直近でいかに動画を見てくれているかを示すものです。当社では、動画の公開から1時間後のインプレッション数をチェックし、その数値がベンチマークよりも低ければ「エンゲージメントが下がっている状態」だと見なします。

 YouTubeではユーザーがチャンネル登録をしていても、1週間ほど関連動画を見ていなければホーム画面に表示されにくくなります。つまり「チャンネル登録をしていても、実際は動画を見ていない状態」なわけです。

 ちなみに、エンゲージメントを測る上でのポイントは、公開から「1時間後」のインプレッション数を見ることです。特に最初の1時間のインプレッション数は重要で、直近PIVOTを視聴したユーザーのホーム画面上に表示されるからです。しかし、2時間、3時間と経てば次第にチャンネル未登録者にも表示されるようになるため、インプレッション数は自然と上がっていきます。チャンネル登録者のエンゲージメントを測るのであれば、1時間後のインプレッション数を見るようにしてください。

 高いエンゲージメントを維持することができれば、チャンネル登録者数の増加にもつながります。チャンネル登録者数が多ければ多いほど、最初の1時間で多くの登録者が動画を視聴する。動画が視聴されるとYouTubeからのレコメンドが働き、拡散されやすくなるからです。しかし、それは登録者のエンゲージメントが高い場合に限った話。登録者数は多くてもエンゲージメントが低ければ、インプレッション数は想定していたほど得られず、動画は拡散されにくくなります

 この記事を読んでいる読者の皆さんには、チャンネル登録者数が増えてきた次のステップとして「エンゲージメントの高いリピーター登録者の獲得」をおすすめします。

時間単位でデータを注視し、動画の尺を変えてみる

――最後に、これからYouTubeを活用したマーケティングに臨もうとしている読者に向けて、アドバイスをお願いします。

 まずは動画を公開し、データを「1時間後」「2時間後」「3時間後」と細かく見ることをおすすめします。そして、視聴数・視聴維持率・視聴時間・CTR・インプレッション数を各時間の数字と照らし合わせながら見てみてください。そうすることで視聴傾向が予測でき、視聴回数が伸び悩んでいる動画に早めのテコ入れをすることができます。

安部氏は、動画の反応を時間単位で細かくチェックすることで様々なメリットがあると語る

 工数がかからない動画の改善策は、主に二つあります。動画の長さを変えるか、配信時間を見直すことです。動画の長さについては、出演者が大衆に広く認知されている人であれば、60分動画にしたほうがYouTubeからレコメンドされやすいでしょう。一方で、ニッチな動画は、視聴維持率が伸びづらいため動画の尺を短くすることが効果的です。

 配信時間については、時間単位で数値を見ていくとコンテンツごとに朝7時~8時台にCTRや視聴維持率が高いのか、もしくは夜20時~21時台に高いのかを見極めることができます。

 動画の長さの改善事例として、起業家やビジネスパーソンらにキャリアの話を聞く「Master of Career」というシリーズがあるのですが、そのうちの何本かは視聴維持率が伸び悩んだ時期がありました。元々60分尺で制作していた動画を30~40分に短縮した結果、現在はインプレッション数が改善傾向にあります。

 配信時間の改善事例では「PIVOT LEARNING」という学び要素が強いシリーズが挙げられます。以前は19時に配信をしていましたが、時間ごとのCTRと視聴維持率を分析すると、朝7時~8時台のほうが数値が高いことがわかりました。「視聴者は仕事前の朝に視聴マインドが高い」ことが数値からも明らかになり、現在は朝に配信しています。

PIVOT LEARNINGシリーズの動画の一例

 当社では特別な分析ツールを活用していません。YouTube アナリティクス1本で分析してきました。既にYouTube アナリティクスを活用されている方も多いと思いますが、重要なのはアナリティクスの数字を分解して、いかに時間単位でデータを見るかです。インプレッション数やクリック率、総再生回数などを「1日平均」ではなく「1時間」「2時間」「3時間」単位で細かく見る癖をぜひ身に付けてください。

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この記事の著者

釘﨑 彩子(クギサキ アヤコ)

 2019年からマーケティング・広告の専門出版社で編集者として勤務。広報・PR分野を中心に編集業務にあたる。2022年よりフリーランスのライターに。媒体問わず、マーケティング、広報、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/04/07 09:00 https://markezine.jp/article/detail/41686

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