UGCが効果的。認知~興味関心におけるポイント
──ブランドをローンチしてから約2年、今もInstagramがメインのマーケティング戦略は変わっていないのでしょうか?
潤一:そうですね。最近はリアル店舗でも商品を展開しているので、Instagram経由の売上の割合は立ち上げ当初よりは減っていますが、現在もInstagramがマーケティングの中心になっています。Twitterも取り入れていますが、Twitterでの盛り上がりはなかなかコントロールが難しい印象です。その点、Instagramはある程度再現性を持って、ブランドの伝えたいメッセージや世界観を発信しやすいプラットフォームだと捉えています。
──では、ECおよびD2CブランドのInstagram活用について、まずは認知〜興味関心のファネルにおけるポイントを教えてください。
潤一:オーガニック投稿の運用ももちろん大事ですが、認知拡大となると、広告が必要になってくると思います。広告では、ターゲットとクリエイティブを細分化し「このターゲットには、こんなクリエイティブが相性が良さそう」と仮説を立てながら、検証を重ねていきます。Instagram広告で反応が良かったものをリアル展開のPOPに横展開するといった施策も効果があったので、Instagramはクリエイティブの検証には最適な場だと思っています。
──広告効果が高くなるクリエイティブに見られる傾向はありますか?
眞大:HAUTに限らずですが、やはりあらゆるケースに有効な最適解というものはないと思っています。Meta社のガイドラインに従う形で、クリエイティブは本数を多めに制作し、運用する中で一番パフォーマンスの高いものを見つけていくというのが王道です。その前提のもと、成果につながりやすい広告クリエイティブを1つ挙げると、UGCを活用した広告コンテンツは高いパフォーマンスを発揮する傾向が見られます。自社制作のクリエイティブと、UGCをいくつか取り入れたクリエイティブで広告を回して効果を比較検証したところ、CPAに関しては大きな差異は見られなかったのですが、商品ページへの送客やカートへの追加などその他の計測値はすべてUGCクリエイティブが優位な結果を示しました。
潤一:私の仮説ですが、UGCは認知から興味関心へファネルを動かすのに向いているのではないかと考えています。通常のいわゆる“広告っぽい”クリエイティブだと、それに触れる=認知するだけで終わってしまうためです。興味関心からもう一歩購買まで至らせるには、価格やユーザー自身のタイミングもあるのでまた別軸の話になりますが、“興味を持ってもらう”という目的には非常に有効な手段だと思います。
また、Instagram広告で高い効果を得るためには、新しい機能が出たらすぐにチャレンジすることも重要です。たとえば、リールで広告を回せるようになったとき、その初期の頃はCPAも低く当たりやすい傾向がありました。要は、先行者優位が働くわけです。競合他社が追随してくる前に、新しい機能やクリエイティブのフォーマットにトライすること。そのためには、クリエイティブ制作も含めた体力や決裁までのスピード、判断力なども必要になってきますが、最初はトライアンドエラーがあることも込みで運用するとよいと思います。