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【特集】次の10年をつくる、組織と人材

本格AI時代の局面を迎えた今、組織・人材をどう変える?電通デジタルが進める「AIの標準装備化」

 人間は人間にしかできない仕事を。これはAI活用の本丸として、以前からずっと言われてきたことだ。業務効率化に向けたDXがある程度一巡した今、クリエイティブ領域におけるAI活用が活発になり、いよいよ「人とAIの本格的な協業」が見えてきた。そんな時代の局面に際し、いち早く動いたのが電通デジタルだ。同社は、AI技術開発力の向上を目的に2023年4月1日にデータアーティストを合併している。ここからどのようにデータアーティストの有する人材や技術力を同社組織に融合させていくのか? 同社副社長の杉浦氏と、元データアーティスト代表で現在は同社 執行役員の山本氏に話を聞いてきた。

飛び道具としてのAIから、標準装備のAIへ

――2023年4月1日付で、電通デジタルはデータアーティスト社を合併しました。電通デジタルのAI技術開発力を強化するための合併とのことですが、今回合併に至った背景をお聞かせいただけますか。

杉浦:私は1998年に電通に入社してから今日まで、一貫してデジタルの領域から広告・マーケティング業界を見てきました。言わずもがなテクノロジーの進化は非常に速く、飽きる隙すらないほどでしたが、ここに来て、また時代の局面が大きく変わっていることを感じています。これまでもAIの可能性や重要性は認識していましたが、「AIが我々の仕事の在り方を根底から変えていく」という大きな変動が、いよいよ現実味を帯びてきたのです。

株式会社電通デジタル 副社長執行役員 杉浦友彦氏1998年に電通に入社して以降、一貫してデジタル領域でキャリアを積む。2022年に電通デジタルに転籍。電通デジタルが展開する各事業領域を統合し、組織横断的に事業価値を創造していくことをミッションとしている
株式会社電通デジタル 副社長執行役員 杉浦友彦氏
1998年に電通に入社して以降、一貫してデジタル領域でキャリアを積む。2022年に電通デジタルに転籍。電通デジタルが展開する各事業領域を統合し、組織横断的に事業価値を創造していくことをミッションとしている

 データアーティストとは以前から様々なプロジェクトで協働してきており、今回の合併に至った大きなきっかけとして、2022年に共同で開発した『∞AI(ムゲンエーアイ)』があります。∞ AI は、広告効果の予測に加え、広告クリエイティブの発想から生成、改善まで一連の工程を包括的に支援するツールです。従来、広告領域でのAI活用と言うと、CVの最適化を目的にした運用改善など答えのあるミッションにおける活用がメインでした。ですが、今、クリエイティブの領域でもAIが本格的に活用できるようになってきているんですね。つまり、本来人間が考えるべき部分だったところにAIが入り込んできている。これを脅威と捉えるか、チャンスと捉えるかで、この先に生まれる差は大きいでしょう。

 飛び道具としてAIを用いるのではなく、日常的に当たり前にあるものとしてAIが組織に組み込まれている状態を作らなければ、自分たちに未来はないかもしれない。今回の合併の背景には、そんな危機感が一番にありました。また、人とAIが当たり前に協働する仕事の在り方を追求していくことへの高揚感も覚えています。

山本:初めて電通デジタルと協業したのは2018年のことでしたが、当時から「電通デジタルがエージェンシーとしてAI活用で最も注力すべきは、クリエイティブの領域だと思います」とお話ししていました。理由は明快で、情報競争やコンテンツの出し分けなどでは、ユーザーの行動データを持っているプラットフォームに対して我々の強みを出せないからです。エージェンシーとして、これからの時代に最も強みを発揮できるのはクリエイティブの領域でしょう。杉浦が申し上げたとおり、クリエイティブ×AIの領域において、ようやく実務レベルで有用な開発が可能となっており、まさに「いよいよこれから」というタイミングでの合併でした。

株式会社電通デジタル 執行役員 データ&AI部門 部門長 山本覚氏東京大学松尾豊教授のもと人工知能(AI)を専攻。AIとビッグデータを活用し、広告の自動生成、広告効果の予測、CROやSEOなど多数のデジタルマーケティングサービスを提供。2023年4月1日より現職
株式会社電通デジタル 執行役員 データ&AI部門 部門長 山本覚氏
東京大学松尾豊教授のもと人工知能(AI)を専攻。AIとビッグデータを活用し、広告の自動生成、広告効果の予測、CROやSEOなど多数のデジタルマーケティングサービスを提供。2023年4月1日より現職

 データアーティスト側から合併の背景もお話しすると、AIを用いてソリューションを開発する際、それを使う人と作る人が1つの組織になっていることの重要性は以前から認識していました。現場でどう使われているか、その先にどんな価値が生まれているのかが見えていないと、どうしてもテクノロジーに依ったソリューションになってしまうからです。我々の技術力を広くデリバリーするためにも、今回の合併は必要不可欠だったと考えています。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2023/04/17 09:30 https://markezine.jp/article/detail/41914

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