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【特集】次の10年をつくる、組織と人材

本格AI時代の局面を迎えた今、組織・人材をどう変える?電通デジタルが進める「AIの標準装備化」

電通デジタルの人材育成・組織強化に向けた取り組み

――データアーティストの人材や知見は、どのように組み込まれていくのでしょうか?

杉浦:電通デジタルでは、この4月にデータ&AI部門を新設しました。データアーティストの社員は基本的にこの部門に所属することになりますが、この部門をただ箱として用意するのではなく、今データやAIを用いて仕事をしているメンバーや進行中のプロジェクトに融合させる形を目指しています。既にいろいろな協業が進んでおり、電通デジタル内の業務にどうすればAIを標準装備させられるか、それによってクライアント企業にどのような価値を提供できるかといった議論が始まっています。

――マーケティング業界では多くの企業が人材不足を課題としています。電通デジタルがどのようにして人材を採用・育成・強化しているのか教えてください。

杉浦:現在叫ばれている人材不足には、速いスピードで進化する世の中やテクノロジーに企業の人材育成が追い付いていない、あるいは慢性的な人材不足の中で既存人材のリスキリングが追い付いていないという要因があると認識しています。そんな中で我々がクライアント企業に提供すべき価値は大きく、デジタル人材の育成は電通グループ全体の必須項目として一貫して注力してきました。採用に関しては、2022年だけでも新卒と中途を合わせて500名ほどを電通デジタルで採用しており、中途社員の中にはデジタルマーケティング未経験のポテンシャル人材も多くいます。

 人材の育成・強化については、社員向けに研修プログラムを用意すれば良いかというと、そういうわけでもありません。自分の仕事の延長線上にテクノロジーやデータがないと、スキルや知識は身に付かないでしょう。ですので、組織の中に相談できる相手が常にいる、最新のナレッジがリアルタイムで入ってくるといった“環境”の面が大きいと考えています。

山本:我々は、モンゴルにある開発拠点「電通データアーティストモンゴル」を有しており、ここには英語も日本語も堪能で、世界の最新技術をキャッチアップしている優秀なメンバーがたくさんいます。人材育成における取り組みとして、データアーティストモンゴルとの交換留学制度を以前から行ってきましたが、今後はモンゴル拠点にいるメンバーも含めて製販一体の形を目指していきます。

杉浦:電通デジタルでも電通データアーティストモンゴルから数名を受け入れたことがありますが、みなさん非常にハングリー精神があるんです。スキルをお借りするだけでなく、電通デジタル内のチームの活性化につながるなど良い刺激を受けています。

――デジタルマーケティングの領域ではキャリアの硬直化も言われていますが、電通デジタル内ではどのようにキャリアパスを整えていますか?

杉浦:目指すべきキャリアパスの型や育成のプログラムは磨いてきており、いくつかの型もできています。電通デジタルには、広告、クリエイティブ、コンサルティング、データ&テクノロジーの4つの事業の柱があり、これに沿って組織も大きく4つのチームに分かれています。もちろん、1つの領域を深く追求することを目指す社員もいますが、それぞれの領域に閉じず多様なスキルを高めることを目指す社員もいます。

 電通デジタルとしては、社員のキャリアを硬直化させず、ハイブリッドな人材を育てることにも注力しており、たとえば、組織間の異動を後押しする「キャリアジャンプ」という制度を設けています。これは自分がやってみたい・挑戦してみたい仕事にエントリーできるという制度で、2022年までは年に一度の公募制としていましたが、2023年から通年で実施することになりました。一般的にはいずれかの業種に特化している企業がほとんどだと思いますが、先述した4つの業種間での循環を考えられるのは我々ならではの特徴ですし、個人のキャリアパスにも大きな役割を果たしていると思います。

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本質的な変革を遂げる過程には「AIに負ける」ことも必要

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2023/04/17 09:30 https://markezine.jp/article/detail/41914

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