SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

【特集】明快な方程式がなくなった、メディアプランニングの今

本田哲也氏に聞く「人を動かすメディアの使い方」 統合型マーケティングキャンペーンに加えるべき視点とは

PR従事者、広告代理店、事業主──3者ともにPR力を高めるべき

──日本企業の場合、その役割は誰が担うのがよいのでしょうか?

 これまでPR業界人として人材育成には注力してきましたが、現状、その役回りができる人がニーズに対して圧倒的に足りていないというのは間違いないです。そんな中で、誰がPR視点を持ち込めばよいのかという問いに対しては、複数の回答があります。

 まず、やはり一番には、今PR業界でPRに従事している人たちがスキルアップしなければなりません。現状、PR会社は人手が足りない企業の広報代理やメディア行脚をするに留まってしまっていることが多く、そこにはあまり戦略性がありません。戦略思考を持ち、高い精度でPRを行える人材を増やしていかなければと考えています。

 次に挙げられるのは、広告代理店です。日本では広告代理店の力が強く、大きなマーケティングキャンペーンを組み立てるときは、中心に広告代理店がいることが多いですよね。つまり、統合マーケティングを仕切る立場にいることが多いのも彼らになります。広告の経験が長いと、なかなかPR視点を持つのは難しいものですが、最近はPR発想のあるクリエイターや広告プランナーも増えてきています。広告もわかるし、PRもわかるというストラテジストは貴重な存在です。これからもっと増えていくでしょうし、もっと活躍できるでしょう。

 最後は、事業会社でマーケティングに従事している方々です。本来なら、統合マーケティングもキャンペーンも、ブランドマネージャーやマーケティングの責任者がコントロールすべきです。PRと広告が比較的バランスよく進んできたアメリカでは、両者を統合して考えるために、事業会社側でしっかりコントロールしているケースが多い。事業会社の中を変えていくのは時間がかかるでしょうが、最も重要なのはここです。外部の専門家の助けを借りながら、少しずつ変わっていくべきだと思います。

──最後に、読者へ一言メッセージをいただけますか。

 PR会社、PR業界、PRパーソンと言われるように、PRは一つの業界であり、専門的な職業です。ただ、20年以上PRを専門にやってきて思うのは、PRというのは同時に一つの「リテラシー」でもあるということです。仕事でPRに従事している人だけがPRを極めればよいわけではありません。アメリカでは、法律家やファイナンスの専門家と同じレベルで、PRのプロフェッショナル性が広く社会に浸透していて、個人的には子供にもPRの教育をしたほうがよいと思っているくらいです。

 マーケターはもちろん、スタートアップを含めた企業の経営者、広告代理店のプランナーやクリエイター、営業パーソンなど、多くのビジネスパーソンにとってPR=パブリックリレーションズは広く必要なリテラシーです。自分の視野を広げ、今ある能力をより発揮し、仕事をレベルアップさせる。そのために必要なリテラシーとして、PRを取り入れてほしいですね。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
【特集】明快な方程式がなくなった、メディアプランニングの今連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2023/06/22 09:30 https://markezine.jp/article/detail/42524

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング