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マーケティング最新事例2023

YouTube広告を活用し、高いビジネス効果へつなげた8つのキャンペーンとは?

検索数130%増加、三井住友カードの「学パ、あげてこ⤴︎」

 YouTube広告を活用して、生活者の意思決定を後押することで行動を促すことに成功し、ビジネス目標を達成したキャンペーンを表彰する「Action Driver部⾨」は三井住友カードの「学パ、あげてこ⤴︎」が受賞した。

三井住友カード/学パ、あげてこ⤴︎

 「人生最初のクレジットカードとして三井住友カードを選んでもらうこと」を目標にする同社。全国の18歳以上の学生、特に大学2~3年生に向けて「三井住友カード」および新サービスの「学生ポイント」ないしは、それに類するキーワードに興味を持ち、検索してもらうためのプロモーションを実施した。

 具体的には、2022年10~12月に学生限定の新規入会キャンペーンを実施。同タイミングでWeb広告(各種SNS)・リスティング広告・比較サイト・生協チャンネルなど、あらゆるタッチポイントを想定したプロモーションを展開。

 3回以上の広告接触でサービス認知&検索数が向上する実績をふまえ、「3回以上の広告接触をしてもらうこと」と「広告接触時にスキップされずに認知してもらえるクリエイティブを用意すること」を重視した。

 YouTubeではTrueViewインストリーム広告の配信に加えて6秒バンパー広告の活用によって短尺での世界観の訴求。長尺動画の視聴ユーザーとスキップユーザーに次のバンパー広告でのメッセージを出し分けることで、サービス理解のフォローを行なった。関連キーワードの検索数最大化をKPIに設定したが、結果はプロモーション全体で検索数130%へ増加。また目標CPAに対して77%まで改善した。

 同部門の代表審査員であるディップの藤原 彰二氏は、ターゲットに合ったキャスティング、若年層に刺さるワード「コスパ・タイパ・学パ」を巧みに取り入れた点、縦型動画など学生に見てもらうための複数のクリエイティブとフォーマットによって目標を達成した点を評価。また、動画について「リズミカルでカラフル。最初におっと思わせる、スキップさせない工夫がある」と語る。

コロナ禍の青春を肯定、何度も見たくなるドコモの動画

 「Best Brand Lift部門」は、その名の通り、ブランドや商品の認知・比較検討・検索数や好意度などのブランドリフトに貢献したキャンペーンを表彰するもの。代表審査員を務めたJukebox Dreamsの和佐 高志氏は「企業の一方通行のメッセージではなく、ターゲットのインサイトや興味をいかに先読みして、そこを基軸に、見て楽しいエンターテイメントの中に企業の言いたいことを差し込むか。それができたのがファイナリストであり、突き抜けたのが今回の優秀賞」と講評する。

 部門賞を受賞したのはドコモの「卒業⽣100万⼈の答辞」/「あの恋をもう⼀度」だ。これから携帯キャリアをご自身で選択・契約するタイミングを迎える学生に向けて、選ぶならドコモというイメージを高め、割引サービスの利用意向を獲得することを目的にしたキャンペーン。施策全体の媒体費の90%以上をYouTubeに使用したという。

 若年層の「好意」「利用意向」のリフトアップをKPIに、第1弾「あの恋をもう一度」、第2 弾「卒業生100万人の答辞」を実施。共に、タイアップ楽曲との親和性を高め、没入感のある映像体験を実現するため、映像秒数に制限のないYouTube TrueViewインストリーム広告をメインに展開した。

 第1弾では高校生の恋愛模様を描きながら何度も見たくなる仕掛けを作り、若者の青春を応援。第2弾では高校3年間がコロナの蔓延期と重なった高校生の声や写真を集め1つの答辞を作成。コロナ禍の青春を前向きに肯定した動画にした。

ドコモ/あの恋をもう一度
ドコモ/卒業生100万人の答辞

 結果、第1弾は650万回視聴、第2弾は1,200万回視聴を達成。若年層向け割引サービスの利用意向の増分が、非認知者と比較して2.5倍に伸長した。また、SNS上で10,000件を超えるポジティブなコメントも獲得した。また、長尺でも2度見させる仕掛けや、テレビの視聴環境ではできないYouTubeならではの表現が高く評価された。

売上174%アップ、最強どん兵衛の最強地下CMッッ︕

 オンライン・オフライン問わず売上拡大というビジネス目標達成に貢献したキャンペーンを評価する「Best Sales Lift部⾨」では、⽇清⾷品の「最強どん兵衛 最強地下CMッッ︕」が受賞した。

 同部門代表審査員のセブン-イレブン・ジャパンの杉浦 克樹氏は、「一旦受賞作品が決まった後に休憩を挟んで再び議論が発生しました」と白熱具合を思わせる裏話を紹介しつつ、「単純に売れたのではなく、どれだけインサイトに響いたか、お客様が思わず購入に至るトリガーを引けたかを選定の基準にしました」と語る。

 では、日清食品のキャンペーンはどのようなものだったのか?

 和風即席麺の絶対的No.1を目指す、どん兵衛。戦略のひとつに「価格以外の価値訴求」がある。コロナ禍の中で生まれた、外気分や、エンタメ感、贅沢感を楽しみたい気持ちに応えるために誕生した商品が、麺や出汁などすべてを主役級のクオリティに高めた「最強どん兵衛」だ。今回のキャンペーンでは、30~40代とZ世代に向けて、地上波のCM尺では伝えきれなかった具材一つひとつの魅力を伝え、動画の拡散から購入者の増加を目指した。

日清食品/最強どん兵衛 最強地下CMッッ︕

 最強のキャラクターとして認知度もあり、コアファンも多い、刃牙シリーズの範馬勇次郎をどんぎつねに採用。当時、地上波CMで行われていた、どんぎつねのアニメ化シリーズと映像の冒頭シチュエーションを合わせることで、差別化を図りつつインパクトを強めた。

 また、名シーン・名言をオマージュして、最強どん兵衛で伝えたかった「すべてが主役級」を表現。TrueViewインストリーム広告を利用し、冒頭5秒で「アニメ」「範馬刃牙」「どん兵衛」など一瞬で判断できるフックを仕掛け、興味がある人に長く視聴し続けてもらえるようにした。

 結果、公開2日で公式YouTube再生回数は230万回超え。公開前の週に対し公開後の売上は174%アップ。オンラインショップでも先月比223%アップを記録した。SNSでもトレンド入りし、喫食レビューが口コミを呼ぶ等、最強どん兵衛が日本中に伝播した。

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ファストCMで効率的なリーチを実現した、損害保険ジャパン

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この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/06/23 10:23 https://markezine.jp/article/detail/42547

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