週20~30本ペースで、新しいクリエイティブの制作が可能に
MZ:ウォータースタンドが極予測LEDを導入した経緯を教えてください。
本多:これまで当社では、バナー広告など従来の広告手法に留まっており、鈴木さんの言われた通りでユーザーが広告にマンネリ感を持ち始めている印象がありました。そこで、新規顧客の獲得を目指す上ではユーザーに飽きられないよう、定期的にクリエイティブを刷新できる環境と、ユーザーの視聴数が伸びている縦型動画の活用が重要だと考え、導入を決めました。
原:おっしゃるように「定期的なクリエイティブを刷新できる環境」が、縦型動画広告では重要です。というのも、縦型動画広告で一般的に配信されることの多い「UGC(User Generated Contents)風の動画」は、インプレッション数は伸びやすい一方、同じユーザーが視聴する頻度も多く、飽きられるのが早い傾向です。こうした“疲弊”を避けるためにも、コンスタントに様々なバリエーションの素材を制作する必要があるのです。
本多:しかし当社の商材は物理的にサイズが大きく、その分、制作工数がかかります。たとえば、スタジオやロケ地を選定して、商材を搬入し、カメラマンに撮影してもらうまでにおよそ1ヵ月かかります。しかも、1日で撮影可能な枚数はせいぜい1~2カットが限界でした。また、制作した後も、A/Bテストを行います。いざ出稿し運用するまでには、かなりの時間を要していました。これらを解消してくれたのが極予測LEDです。
原:今回の撮影では、1日に約50パターンの背景で撮影をしました。滝や雪山などのシチュエーションでの撮影も簡単に試せます。さらに、予測AIを使って、リアルタイムで素材の効果を測定し、予測結果が最も良いものだけを納品します。
本多:これまではクリエイティブの見直しは四半期に1回でしたが、極予測LEDを導入してからは、週20~30本のペースで新しいクリエイティブに刷新できています。
勝ちパターンを分析し、訴求軸を複数用意
MZ:極予測LEDを用いてどのようなクリエイティブを制作されたのか、制作工程も含めて教えてください。
原:まずは背景探しから始まりました。夏の需要期の宣伝用に水の冷たさを強調する素材や、冬に向けて雪山などの季節感を感じさせる素材など、ウォータースタンド様の商品と相性の良い背景を訴求軸に合わせて集めました。それをLEDウォールに映し出すことで、まるでその場にいるような臨場感のある背景に仕上がります。また、静止画のみならず、木や波などの動きのある背景も映し出すことが可能です。
原:同時に、ウォータースタンド様の広告の中で、これまでに効果の高かった勝ちパターンの分析も行いました。やはりウォータースタンド様の商品は「水道水を注ぐだけで綺麗でおいしい水が出てくる」という部分が強い訴求ポイントになっていると思います。分析でも水道水を注ぐシーンを冒頭に持ってきたものが一番伸びていたことがわかったので、撮影ではいかに透明感のあるシズル感を表現するかにこだわって水を注ぐシーンを何パターンも撮影しました。
本多:2年間、一緒に並走いただいた信頼感もあり、かつ提案いただいた背景や動画がかなりブランドイメージに沿ったものだったので、スムーズに撮影は進みました。イメージを担保しつつ、新たな表現に積極的に挑戦できて良かったです。
髙橋:私どもからも、月に最低1回は皆様とミーティングをさせていただき、媒体側の調査から判明した“当たり”とされるUGC風の動画の傾向などを共有しました。