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【特集】明快な方程式がなくなった、メディアプランニングの今

博報堂DYが組織横断で結集し目指す、メディアプランニング×広告クリエイティブの全体最適

1つのクリエイティブを複数メディアに展開する時のポイント

MZ:1つのクリエイティブを複数のメディアに展開していく時は、どういったことに気を付けるとよいでしょうか?

西出:メディアごとに視聴態度や媒体特性は異なりますから、まったく同じクリエイティブをそのまま横展開するのは効率的とは言えません。各タッチポイントにおけるターゲットのインサイトを踏まえて、クリエイティブ×メディアプランニングを考える必要があると思います。

 一方で、最近、縦型の動画素材をベースに作られているテレビCMをよく見かけますよね。あの形には2つのメリットがあると考えていて、1つは視聴体験にシズル感を持たせられるということです。Instagramで友達のストーリーズを見ている時、情報がリアルに入ってくるあの体感値はテレビの画面でも活かすことができるという考えから、クリエイティブの企画をしているのだろうと思います。もう1つ、16:9の画面でテレビCMが流れている中、いきなりポカンと横に黒帯が現れるので単純に目立つという引き算的なメリットもあるのではと見ています。数年前にもテレビCMで実験的にこの形が取られていましたが、このところ民主化されてきた印象がありますね。

貞包:正直、メディアプランニングだけの視点では「このメディアのほうが効率が良かったから」とか「2つのクリエイティブのうち反応が良かったほうを次も使おう」などといった短絡的な議論になりがちです。ですが、西出の話にあったように、結果を見ながら「画面の使い方の何がどう良かったのか」「クリエイティブのどの要素がターゲットに刺さっているのか」といった視点をもらえると、クリエイティブのPDCAを回していく上でひとつ深い議論ができます。こうした点も、サイクロンで両者が協働している強みだと思います。

メディア×クリエイティブの全体最適を社内外に拡大していく

MZ:最後に、サイクロンにおける今後の展望をお聞かせ下さい。

西出:これまで広告クリエイティブの世界では、1つの素材の強さが追求されてきました。ですが、そこに色々な媒体の色々な制約や条件が入ってきている今、広告クリエイティブに必要なのは“しなやかさ”なのではないかと感じています。個々のクリエイターが持つ強みを柔軟に掛け合わせ、“しなやかで強い”という状態をいかに作っていくかが、チームとしての共通ゴールになると考えています。

 獲得や運用の世界、ソーシャル領域の常識をマスクリエイティブの世界にも融合させる。逆もまたしかりで、そういった相互留学の化学反応をプランニングできると広告領域のプランニングはまた面白くなるなと実感しながら、日々チャレンジしています。

 また、先ほど広告クリエイティブの運用の話がありましたが、素材の納品数が増えるとどうしても予算が上がってしまうのが総合広告会社のクリエイティブ現場の課題です。しかし、広告運用の現場では、多数の素材を運用するのがスタンダードになりつつあります。ここにクリエイティブ側が対応していくためには、制作に緩急をつけることが求められます。もちろん手を抜くわけではないのですが、どこに力を入れて、どこをライトに考えるかという具合にバランスを取っていく。その緩急の付け方を勉強していきたいです。

貞包:サイクロンが発足してからこの半年で、メディアプランナーの価値や役割をずいぶん広げられたように思っています。ただ、メディア×クリエイティブの全体最適の考え方やプランニングの進め方が、社内で根付いているかと言われると正直まだそうとは言えず、これはクライアント企業様においても同様だと思っています。メディア×クリエイティブの全体最適という考え方自体を、サイクロンを起点により一般的なものへと拡大していきたいですね。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2023/08/29 09:30 https://markezine.jp/article/detail/42785

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