カギは「冒頭」と「背景のバリエーション」
MZ:縦型動画広告を取り入れたことで、大きな獲得伸張があったと伺いました。その秘訣は何だったのでしょうか?
小堀:私たちは縦型動画広告を作りながら「成果が出るクリエイティブ」いわゆる“当たりパターン”が生まれる傾向をつかんでいきます。その中で、どんな要素が当たりにつながったのかを細かく検証していきました。具体的なポイントを挙げると、以下の四つになります。
2.背景のバリエーションを増やす
3.ポジティブな訴求を心がける
4.音声付きの動画にする
小堀:特に重要となる1と2について説明します。1の「冒頭3秒に注力する」ですが、30秒の動画で漫然と商材を見せるだけでは、ユーザーからスルーされてしまう率が高まってしまいます。
小堀:そこで今回は“ベルミスを着用したまま足をクロスさせる”動きを動画の冒頭3秒に持ってきたところ、CVは前月比で110%に伸張し、目標CPAも80%に改善されました。さらに「冒頭3秒」の視聴率と配信コストの相関関係は、Facebook Japan様の調査でも判明しています。
2は、極予測LEDが実現させていることです。極予測LEDでは、当たり動画(※)を基に広告効果が高いと予想した背景を自由に選び、撮影することができます。これにより、通常なら表現できないシチュエーションをまるで「その場にいるかのように」表現できます。また撮影中は、現行クリエイティブと競合した際、現場でリアルタイムにAIが予測スコアリングし、効果のより高いと予測した背景で大量に撮影できます。
※ADG内で最もCOSTが出ているADの配信COSTを上回る動画
髙橋:なお、小堀様が挙げられたポイントの「4.音声付きの動画にする」については、当社の調査(2022年7~10月に実施)でも「約93%のユーザーが音を出した状態でリールを視聴していること」がわかっています。
1日に大量のクリエイティブを制作可能
MZ:極予測LEDをどのように活用していったのでしょうか。
小堀:まず、当たり動画を分析するにあたり、以前実施した際に大きく当たった動画の、特にどの要素がインパクトがあったのかを社内検証したのです。要素としては、たとえば「冒頭の背景素材」や「ナレーションの声」などがありました。そして、検証の結果、動画冒頭の背景替えが最もインパクトがあることが判明し、そこに注力しました。
小堀:様々な種類のクリエイティブを用意したいところですが、実際は時間や場所、天候などの制約が多く、撮影本数には限りがありますが、極予測LEDを使えば、たとえば病院の背景を投影し、看護師の格好をしたモデルにベルミスを履いてもらい「仕事着の中に実は、ベルミスを仕込んでいます」といった訴求が簡単にできるわけです。
小堀:今回は、1日で50種類ほど制作できました。撮影した素材は実際に広告として使用しながら、現行のクリエイティブと比較して「どちらがあたるのか」「なぜあたったのか」など、引き続き検証にも活用しています。
横澤:また、広告効果を事前に予測できる極予測AIとその場で連動しながら撮影を進めることができるため、現行のクリエイティブと比べてどちらが良いかを競わせ、より効果の見込めるものを作っていくことができます。
MZ:極予測LED活用に関する当初の期待感を教えてください。
菅家:これまで一緒に縦型動画広告の取り組みをしていく中で感じていた「数多くのシチュエーションでの素材を集めるのは難しい」という課題に対して、非常に効果的な打ち手だと感じました。