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Instagramの縦型動画広告でCPA87%に改善を実現!急成長D2CベルミスのAI活用事例

 SNS広告を活用して売上拡大を図るには、スマートフォンに最適化した縦型動画広告の活用が欠かせなくなっている。そんな中、着圧レギンスブランド「ベルミス」を展開しているファストノットでは、Instagramにて縦型動画広告を配信したところ、配信前と比べCPAを87%に改善しながらもCV数が約110%になったという。本稿では、サイバーエージェントが提供する、リアルタイムに広告効果の事前予測をしながら高精細なLED背景を使ったクリエイティブを撮影し制作できる「極予測LED」を活用した縦型動画広告施策のメリットを各担当者の視点から語ってもらった。

縦型動画広告の専任組織「VCL」

MarkeZine編集部(以下、MZ):前回に引き続き、縦型動画広告のクリエイティブ事例についてお話を伺っていきたいと思います。まず、皆さんの自己紹介からお願いします。

菅家(ファストノット):ファストノットCMOの菅家です。ベルミスは25〜35歳の女性をターゲットにした着圧レギンスブランドです。レギンスのほか、タイツやガードルといった商品を展開しており、女性の悩みを日常的に解決する「テックウェアブランド」を目指しています。

ファストノット CMO 菅家太一氏。「ベルミス」のマーケティング業務全般を所管している

菅家:マーケティング施策としては、SNSマーケティング、特にInstagramのインフルエンサーを起用した施策に注力しています。

小堀(サイバーエース):私は、昨今の急拡大する縦型動画市場を早期に攻略し、お客様の事業拡大を支援できるよう、立ち上がった専任組織「Vertical Creative Lab.(以下:VCL)」に所属しています。ファストノット様とは、2022年9月のVCL立ち上げ翌月からご支援させていただいており、縦型動画広告の配信に必要な素材撮影を含むクリエイティブ制作から分析・検証までを行っています。

横澤(サイバーエース):私はアカウントプランナーとしてクリエイティブ・記事・運用のディレクションを行い、広告を通じてお客様の売上最大化を目指すことをミッションとしています。

髙橋(Facebook Japan):Facebook Japanの髙橋です。私は、サイバーエース社のVCLの広告効果の検証をフォローし、縦型動画面で成果を出すための戦略を一緒に考えております。

商品リニューアルを機に縦型動画広告に参入

MZ:ファストノットが縦型動画広告を活用した経緯を教えてください。

菅家:ベルミスでは、Instagramの中でもストーリーズ枠のインフルエンサー投稿が顧客獲得のメイン経路となっていました。その広告運用を行っていくうちに、スマホに最適化された“縦型”でかつ、「UGC(User Generated Contents)風の動画」のほうがユーザーに対して、よりブランドに親近感を覚えてもらいやすいことがわかってきました。

 さらに「ベルミス」の新商品を数多くリリースするにあたり、新しい施策を打ち出して顧客数のさらなる伸張を目指そうとしていました。そこで、広告運用に関し、1年程一緒に取り組んできたサイバーエース社のVCLに、縦型動画広告のクリエイティブ制作から広告運用までをお願いすることになりました

カギは「冒頭」と「背景のバリエーション」

MZ:縦型動画広告を取り入れたことで、大きな獲得伸張があったと伺いました。その秘訣は何だったのでしょうか?

小堀:私たちは縦型動画広告を作りながら「成果が出るクリエイティブ」いわゆる“当たりパターン”が生まれる傾向をつかんでいきます。その中で、どんな要素が当たりにつながったのかを細かく検証していきました。具体的なポイントを挙げると、以下の四つになります。

1.冒頭の3秒に注力する
2.背景のバリエーションを増やす
3.ポジティブな訴求を心がける
4.音声付きの動画にする

小堀:特に重要となる1と2について説明します。1の「冒頭3秒に注力する」ですが、30秒の動画で漫然と商材を見せるだけでは、ユーザーからスルーされてしまう率が高まってしまいます。

サイバーエース クリエイティブ本部 クリエイティブ局 VCL チーフプランナー 小堀彩夏氏

小堀:そこで今回は“ベルミスを着用したまま足をクロスさせる”動きを動画の冒頭3秒に持ってきたところ、CVは前月比で110%に伸張し、目標CPAも80%に改善されました。さらに「冒頭3秒」の視聴率と配信コストの相関関係は、Facebook Japan様の調査でも判明しています

 2は、極予測LEDが実現させていることです。極予測LEDでは、当たり動画(※)を基に広告効果が高いと予想した背景を自由に選び、撮影することができます。これにより、通常なら表現できないシチュエーションをまるで「その場にいるかのように」表現できます。また撮影中は、現行クリエイティブと競合した際、現場でリアルタイムにAIが予測スコアリングし、効果のより高いと予測した背景で大量に撮影できます。

※ADG内で最もCOSTが出ているADの配信COSTを上回る動画

髙橋:なお、小堀様が挙げられたポイントの「4.音声付きの動画にする」については、当社の調査(2022年7~10月に実施)でも「約93%のユーザーが音を出した状態でリールを視聴していること」がわかっています。

1日に大量のクリエイティブを制作可能

MZ:極予測LEDをどのように活用していったのでしょうか。

小堀:まず、当たり動画を分析するにあたり、以前実施した際に大きく当たった動画の、特にどの要素がインパクトがあったのかを社内検証したのです。要素としては、たとえば「冒頭の背景素材」や「ナレーションの声」などがありました。そして、検証の結果、動画冒頭の背景替えが最もインパクトがあることが判明し、そこに注力しました。

高精細なLEDウォールで様々な背景で撮影できるLEDスタジオ

小堀:様々な種類のクリエイティブを用意したいところですが、実際は時間や場所、天候などの制約が多く、撮影本数には限りがありますが、極予測LEDを使えば、たとえば病院の背景を投影し、看護師の格好をしたモデルにベルミスを履いてもらい「仕事着の中に実は、ベルミスを仕込んでいます」といった訴求が簡単にできるわけです。

「看護師が実は仕事着の中にベルミスを仕込んでいる」ことを伝えるクリエイティブ

小堀:今回は、1日で50種類ほど制作できました。撮影した素材は実際に広告として使用しながら、現行のクリエイティブと比較して「どちらがあたるのか」「なぜあたったのか」など、引き続き検証にも活用しています。

横澤:また、広告効果を事前に予測できる極予測AIとその場で連動しながら撮影を進めることができるため、現行のクリエイティブと比べてどちらが良いかを競わせ、より効果の見込めるものを作っていくことができます

MZ:極予測LED活用に関する当初の期待感を教えてください。

菅家:これまで一緒に縦型動画広告の取り組みをしていく中で感じていた「数多くのシチュエーションでの素材を集めるのは難しい」という課題に対して、非常に効果的な打ち手だと感じました。

CVは110%に増、CPAも87%に改善

MZ:実際に極予測LEDを試して、いかがでしたか。

菅家:カメラがAIと連動しているので、現状の当たりクリエイティブと比較してより良いものかどうかが瞬時にわかるので制作効率が良いと思いました。また撮影後の合成が必要ないのも嬉しい点です。

 クリエイティブについては、長く愛されるプランドになるよう、広告臭くなりすぎないクリーンな訴求をお願いしました。一方で、SNSマーケティングはユーザーの衝動買いの喚起が狙いですので、その点はサイバーエース社に意識して制作いただきました。いずれにせよ、当ブランドのコンセプトを熟知してくれているので、細かく指示は出していません。

 むしろ、サイバーエース社にはこれまでも質の高いクリエイティブを制作してくださっていたので「そんな精度の高いサイバーエース社のクリエイティブと、AIではどちらが勝つのだろう?」と個人的には興味がありましたね(笑)

MZ:サイバーエース社が支援された結果、どのような成果が得られたのでしょうか。

横澤:2022年8月のVCLが介入する前は、ベルミス全体の配信している広告のうち、動画比率は約0.7%でしたが、VCLが支援を開始したことにより9月には、動画配信比率は全体の18%に伸長。また、CVは110%に増、CPAも87%に改善しました

サイバーエース アカウントプランニング統括本部 第1本部3局 第2アカウントグループ チーフアカウントプランナー 横澤瑞穂氏

MZ:Instagramにおける縦型動画広告の運用の極意を教えてください。

髙橋:極意は「クリエイティブに多様性を持たせること」です。クリエイティブの「勝ちパターン」を見つけるには、一つの訴求にこだわるのではなく、複数の訴求を同時に走らせることが重要です。社内の分析結果でも、複数の訴求を複数の動画で配信することでCPAが下がることがわかっています。

Facebook Japan エージェンシーパートナー 髙橋直也氏

テックウェアブランドを目指して

MZ:今後の展望・展開についてお聞かせください。

菅家:ベルミスの商品の魅力を多くのお客様に伝え、手に取っていただくために、今後も積極的に新しい手法を取り入れていきたいですね。SNS広告を主戦場にしながら、オフライン展開や海外展開もさらに力を入れて動いています。

 運用型広告に関しては、引き続きサイバーエース社と極予測LEDを活用しながら、最終的には「テックウェアブランド」として認知されることを目指しています

髙橋:既にユーザーがInstagramに費やす時間の2割はリール面が占めており、その比率は日増しに伸びています。広告の在庫もそれにともなって増えており、縦型動画コンテンツであるリール面を攻略することがInstagramの広告配信攻略におけるキーポイントになると考えています。

小堀:私たちは今後も、縦型動画をメインにしたチャレンジングな取り組みを続けていきたいと思います。特にD2Cブランドは、縦型動画広告の配信時に工数や素材撮影上のハードルがあると思います。私たちは撮影スタジオもある上、極予測LEDによりバリエーション豊かな素材を撮影することができます。また、それらの配信後に検証結果を回す体制も整っています。素材にお困りの企業様がいらっしゃれば、ぜひお手伝いさせていただきたいですね。

横澤:ファストノット様の広告効果を高めるため、引き続き縦型動画への注力は続けていこうと考えています。極予測LEDを使って撮影したストックを大量に持つということは、いつでも新たな効果を試せる状態にあることだと言えます。それらを随時配信しながら、弊社の検証体制を最大限に活かしてさらなる当たりクリエイティブの発掘に努めていきます。

新しい時代に求められる広告代理店としての第一人者に!

 サイバーエースは、事業規模や拠点にとらわれず全国各地の企業へ、整備された営業体制とオペレーション体制の下、当社の強みである「広告運用力」×「クリエイティブ力」を活かすことで、手厚いフォローおよび費用対効果の高い効率的な広告効果を図り、顧客満足度の高いサービス提供を実現してまいります。

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この記事の著者

三ツ石 健太郎(ミツイシ ケンタロウ)

早稲田大学政治経済学部を2000年に卒業。印刷会社の営業、世界一周の放浪、編集プロダクション勤務などを経て、2015年よりフリーランスのライターに。マーケティング・広告・宣伝・販促の専門誌を中心に数多くの執筆をおこなう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社CyberACE

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/08/31 11:00 https://markezine.jp/article/detail/42800