外出を計画する層と屋内で過ごす層で二極化
楽天グループは、「楽天市場」「楽天トラベル」「Rakuten Music」「楽天ブックス」など同社の展開するサービスの購買データや調査結果をもとに、「楽天グループ 2023夏トレンド予測」を発表した。
まず、楽天ユーザー1万人を対象に行った調査を公開した。2023年の夏の過ごし方について尋ねた結果、約21%が「国内旅行」と回答。その他にも「帰省」が上位にランクインしており、国内での観光や移動を予定しているユーザーが多く見られた。
一方で「動画配信サービスを見る」が7.8%、「読書」も6.7%となり、自宅や屋内で過ごす回答にも票が集まった。コロナ禍以前の過ごし方が戻ってきた層がいる一方、引き続き屋内で夏を楽しみたい層もおり、二極化する結果となった。
次に、夏の予定に応じて購入した、もしくは購入予定のもの・サービスを聞くと、「宿泊先」「アウトドアグッズ」の購入を検討している人が多数見られた。また上位には、「書籍」もランクインした。
続いて2022年と比較して夏の予定に対する予算を増やすかを尋ねたところ、約4人に1人が「予算を増やす、または増える予定がある」と回答した。
これらの調査結果を踏まえ、同社は部門にわけて2023年夏のトレンド予測を発表。本記事では「物販編」「旅行・レジャー編」「エンタメ編」を中心に紹介していく。
外出関連の需要が拡大!注目は「推し活」
物販編では、楽天市場における購買データや外部データに加え、社会情勢や気象、カレンダー、SNS、リアルトレンドなど様々な外部要因から直近の消費需要を紐解き、2つの消費トレンドを予測した。
トレンドの一つ目は「Return to Normal消費」だ。新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行して初めて迎える夏休みであることから、同社は「外出・旅行・夏ならではのイベント・行楽行事に関連する商品の需要が回復している」と発表した。
実際、各カテゴリーを2023年の3月から5月を前年同期比で見てみると、外出関連のアイテムでは、「コンパクト」のキーワードを含む折りたたみ傘が約1.7倍。レディース帽子は約1.3倍伸長した。旅行関連のアイテムでは、スーツケースや移動時に利用できるネックピローの需要が拡大した。イベント関連アイテムの傾向を見ると、浴衣は約1.8倍、水着は約1.4倍に推移。6月以降はさらなる需要拡大を予測している。
またスポーツ観戦やコンサート鑑賞、俳優・タレント・グループなどが来日するなどのイベントも増加。これにともないコンパクト双眼鏡などの需要が伸びた。特に「推し活」で使う「痛バッグ」の伸長率は高く、約6.7倍に。痛バッグとは、クリア素材のトートバッグの表面に缶バッジなどのグッズを入れ、持ち歩くファッションアイテムを指す。
なお楽天ブックスで推し活関連商品の売り上げを見ると、2023年の「推し」をタイトルに含む書籍やムック本の売り上げは、前年比で約1.8倍に増加。推し活というトレンドの広がりが伺えた。