6月にOpenしたハリーポッターのテーマパークにフォーカス
2023年6月、東京都練馬区のとしまえん跡地にテーマパーク「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター(以下、メイキング・オブ・ハリー・ポッター)」がオープンしました。公式サイト訪問者数の推移を見ると、グランドオープン日決定のニュースリリースが発表された2023年3月から一気に伸び、2023年6月時点ではデイリーで45.8万人に到達と、世間の注目の高さがうかがえます。
テーマパークがオープンすると、宿泊や外食、交通などその周辺の産業においても消費が活性化する可能性が高まるため、実際にどのような人が集まるのかを分析する価値は高いはずです。そこで今回は、オープンから日が浅いハリー・ポッターのテーマパークに注目し、公式サイト訪問者や検索者を分析することで、作品のファンの人となりを明らかにしていきます。
テーマパークの関心層は、女性・若年層が最多
まずは、テーマパークの公式サイト訪問者の基本的な属性について、同じく2022年11月にオープンしたばかりの「ジブリパーク」と比較しながら見ていきます。
若年層と女性のほうが多いという基本的な傾向は共通していますが、メイキング・オブ・ハリー・ポッターは20代に、ジブリパークは30代に山がきています。これを受けてか、メイキング・オブ・ハリー・ポッターのほうが未婚者・子どもなしの訪問者の割合が高くなっていました。
興味深いのは、メイキング・オブ・ハリー・ポッターのサイト訪問者は、20代の割合が高いにも関わらず、ネット利用者全体の平均より世帯年収が高くなっている点です。それぞれのサイト訪問者の支出傾向を調べてみると、メイキング・オブ・ハリー・ポッターのユーザーは、「イベント・グッズ購入」への支出額が突出して高いことがわかりました。ネット利用者全体の約2.6倍、ジブリパークのサイトユーザーの約2倍も支出額に差があります。
ヴァリューズが2022年8月に実施した「推し活」に関するアンケート調査では、女性のほうが「ファン対象がいる」と回答する人の割合が高く、さらに20代女性ではその割合が8割強と顕著に高い結果が出ていました。メイキング・オブ・ハリー・ポッターの公式サイトの訪問者は、女性・20代女性の割合が高いということ、またグッズ購入の意欲がここまで高いことを踏まえると、メイキング・オブ・ハリー・ポッターには現在推し活に熱心な女性ファンが多くついていると推察できます。未婚で、自由に使えるお金が多いことも影響しているのかもしれません。